プロダクト PRODUCT

そのマスク本当に満足してる?呼吸までも考えたハイスペックマスク

Yuka Shingai

世界中でマスク不足が相次ぐ中、ハイブランドが自社の工場でマスクを大量生産して医療機関に寄贈したり、身近にあるもので代用するための様々なTipsがネット上で公開されるなど、供給に向けての対策があの手この手で繰り広げられている。高い技術力と斬新なアイデアを誇るテック企業も例外ではない。未来を感じさせる高性能なマスクをご紹介しよう。

顔が隠れないから呼吸が楽!
マスク型ウェアラブル「Atmōs」

ニューヨーク州ブルックリンに拠点を持つAō Air社が開発した「Atmōs」は、鼻や口周りが密閉されず、かつスケルトン状になっているのでマスクにつきものの息苦しさや無表情とさよならできる優れもの。特許取得済みのPositivAir™ という技術の力で、マスク内に陽圧(内部の圧力が外気圧よりも高い状態)を生み出し、自由に呼吸ができる上に、ウィルスや花粉を防ぐ力も通常のマスクの50倍以上をほこる高スペックが売りだ。

1回の充電で5時間の連続使用が可能だが、メンテナンス性や耐久性も気になるところ。価格は350USドルで米国と韓国向けに7月から配送予定、ニーズ次第で対応エリアは全世界に拡大する可能性大だ。

「呼吸筋」を鍛える
トレーニング効果も絶大な「VENT(ベント)」

思うように外出できなくても、心身の健康を維持するためには適度な運動を楽しみたい。そんな人には同じく米国発のトレーニングマスク『VENT(ベント)』をおすすめしよう。本製品は元来、マスクの前面についているダイヤルを回して網目を調節することで、呼吸に負荷をかけ、「呼吸筋」を鍛えるためのトレーニングアイテム。

さらにここに花粉やウィルス、有害物質の吸引量を減らしてくれるフィルター機能を搭載したものがこの度完成し、クラウドファンディング「CAMPFIRE」でも目標額の294%を達成した。目には見えないウィルスや花粉に怯えることなく外出でき、なおかつトレーニング効率もアップするならまさに一石二鳥。現在、アメリカ本国でも品薄状態が続いているようだが、生産の安定を応援しながら国内での流通も待ち通しい。

使い捨てではなく、繰り返し使えることもハイテクマスクの魅力の1つ。サステナビリティ推進の流れも受けて、これからよりバラエティ豊かになりそうだ。

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

プロダクト PRODUCT

赤ちゃんの命を守れ!IoT技術で「赤ちゃんの見守り」支援 産院向け「ベビーセンサーBaby Ai Med.」

HERO X 編集部

命を守る分野で、安全性を確保しながら、どう効率化を図るかは常に課題となっている。特に新生児医療や小児科では、1人の新生児に多くのスタッフがかかわることで、小さな命を守っている状況だ。その医療現場のサポートとなる技術が開発された。「ベビーセンサーBaby Ai Med.」は日本の企業が製作した、産院での「赤ちゃん見守り」を支援するシステムだ。

乳幼児の呼吸数をモニターできる
日本製のIoT対応センサー

日本の新生児の死亡率は世界一低く、ほかの先進国から大きく注目されている。小児ICUが充実していることも大きいが、乳児のNICUでは保育士も活躍しており、そういった人々の努力なしには実現できないことだろう。

といっても、最近では医療費の削減もあり、現場の人々がひっ迫している面もある。生まれたばかりの赤ちゃんの「見守り」は、マンパワーに頼るしかなく、医療現場や保育士さんの疲弊が気になるところだ。

そんななか、株式会社リキッド・デザイン・システムズから、赤ちゃんの見守りをセンサーで実施できる製品が発売された。「ベビーセンサーBaby Ai Med.」は、柔らかいセンサーマットを通じて赤ちゃんの体動から呼吸音をセンサリングし、呼吸が大幅に変化した時に光と音でアラートを発する。専用端末/アプリを通し、育児室内にいる複数名の乳幼児の遠隔同時モニターも可能。これにより、出産後の母親や看護師などの負担を軽減していく。

敷き布団のようにマットをセットするだけという手軽さ

ベビーコット内に設置するセンサーマットが、海外製にみられるような堅いものではなく、赤ちゃんに負担の少ない柔らかなものであるのも特徴。日本の企業の繊細な技術が活かされた製品といえそうだ。

保育園でも乳幼児の昼寝中に、「うつぶせ寝」を防止するための見回りが大変だという。呼吸音をモニターするテクノロジーがあれば、うつぶせ寝による乳幼児突然死の防止にもなり、見回る人の負担の軽減にもなるだろう。

マンパワーが優れているのは日本の良い所だが、マンパワーに頼るあまり、看護師や保育士が超過労働になってしまっている面もある。ケアの分野でも、テクノロジーを使った支援システムを積極的に使っていけるようになれば、質を保ちつつ労働力を軽減することができそうだ。

(画像提供:株式会社リキッド・デザイン・システムズ)

(text: HERO X 編集部)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー