コラボ COLLABORATION

デザイン・データ・テクノロジーのRDS 国際福祉機器展で3つの新プロダクトを発表

HERO X編集部

株式会社RDS(東京都渋谷区 代表:杉原行里 /スギハラアンリ 以下、RDS)は、2022年10月5日(水)〜7日(金)の期間で開催される「国際福祉機器展」にて、“身体データ”をコンセプトに3つの新プロダクトを発表する。尚、発表するプロダクトは、毎年イタリアで開催される世界最高峰の国際デザインコンペティション「A’ Design Award & Competition」にてゴールドを受賞するなど海外でも高い評価を得ている。

モータースポーツ、医療・福祉、最先端ロボットなど、多くの技術開発、製品開発を行ってきたRDS。これまでもデザイン・テクノロジーを掛け合わせたプロダクトを世に送りだし国内外で高い評価を獲得してきたが、近年特に力を注いでいるのが“身体データだ。
今回新たに発表するのは、車いす利用時の身体データ及びシーティングの最適解を導きだす『bespo』、そのパーソナルデータをもとに体にアジャストしていく車いす『MIGRA』。10m歩くだけで歩行の特徴を解析するロボット『CORE-Ler』の3プロダクトだ。
高齢化社会が進み、医療や福祉など社会保障費の負担も大きくなる日本。RDSは、身体データは高齢化社会が持つ課題を解決するひとつのきっかけになると考えている。3つのプロダクトはそのフィロソフィーも評価され、毎年イタリアで開催される世界最高峰の国際デザインコンペティション「A’ Design Award & Competition」にてすでにゴールドを受賞、海外からも高い評価を得ているプロダクトだ。

シーティングの最適解を導き出す『bespo』

車いすユーザーは、体格や抱える障害、リハビリの進捗状況、生活のスタイルなど、人それぞれ個性がある。そのため、いかに車いすがユーザーに合わせて調整されているかによって、パフォーマンスは大きく変わる。最適解を導くために最も重要なのがシーティングだ。体の重心の位置により発揮される力は異なり、車いすに伝わる力も大きく変化する。

『bespo』は、車いすの座面や車輪の配置を電動で移動、車いすユーザ自身が座り心地や漕ぎ心地を実際に体験できるようになっている。また、左右独立して車輪の回転スピードとトルクを計測、重心位置の測定を行い、調整前後の結果を定量的に比較検討。搭載された各種センサーの測定値から定量的にシーティングを評価する。重い障害を抱え実際に手動車いすを使用しにくい人の運動トレーニングや、リハビリ開始間もない人の動作獲得に活用できる回転アシストも搭載している。つまり、シーティング、リハビリ、トレーニングと様々な目的で用いる事ができるのだ。現在は、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)との共同研究を実施している。

より簡単に、より高精度に
シーティングを測る車いす『MIGRA』

『MIGRA』は、車いすのパーソナライズ化に必要なデータを取得し、調整できる特別な車いす。車いすシミュレーター『bespo』と連携して使用することで車いすに搭載されセンサーが各部品の寸法を読み取り、ユーザーに応じて最適なポジションを計測する。
また、パーソナライズデータを取得し、適切なポジションを見いだすことで、漕ぎ手のパフォーマンスを向上、今は手動で車いすを漕ぐことができない重度の障害を持つ人でも自走できるようになる可能性もあるという。また、調整器具を取り外せば“シンプルで軽量な車いす”として活用することができる。

10m歩くだけで歩行を解析する
追尾型ロボット『CORE-Ler』

健康寿命を縮める主な原因には、認知症、脳卒中、関節疾患及び骨折・転倒などがあり、これらの原因と密接に関係しているのが「歩行」だ。例えば、糖尿病や認知症の罹患者は、小さい歩幅で足を持ち上げずに歩くという特徴がある。歩行と人ぞれぞれの運動障害の特性やメカニズムを解析し、特徴を見つけることで変化を敏感にキャッチ、従来は難しいとされてきた初期段階の疾病をいち早く発見できるようになる可能性が出てきた。も。『CORE-Ler』は、ロボットが被験者の前方から被験者を歩き方を観測。人の歩行を解析しデータをクラウドデータベースに送信する。高価なモーションキャプチャーシステムでなければできなかった正確な歩行動作解析を、安価に行うことができ、従来の歩行解析よりも多くの項目の測定が可能になる。医療やリハビリ、健康維持などに役立つビッグデータとしての活用も見込まれる。未来を導く新たなプロダクトがそろい踏みする今回の展示会、世界に認められたプロダクトに注目が集まりそうだ。

左:bespo、真ん中:MIGRA、右:CORE-Ler

(text: HERO X編集部)

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ハッピーになるテクノロジーの使い方をしよう!【HERO X RADIO vol.2】

HERO X 編集部

ウェブマガジンの枠を超え、リアルに会い、リアルに繋がり、リアルに広がるしかけを作り出すメディア「HERO X」のラジオ番組『HERO X RADIO』。前回第2回のアーカイブ動画を公開、また次回の公開収録は2月22日(金)となっている。

リアルと繋がる場としてスタートしたラジオ番組『HERO X RADIO』は、Shibuya Cross-FM (http://shibuyacrossfm.jp/)にて、毎週第2・第4金曜 13:00-13:50 にオンエア中。渋谷のシダックススタジオから生放送でお届け、ネットからのリアルタイム視聴もできる。パーソナリティーを務めるのは「HERO X」編集長の杉原行里と、様々なプロジェクトや広告のプロデュースを手がける株式会社マグネットの佐藤勇介氏。毎回、次世代を見据えて活躍する“HERO”をゲストに迎え、日本のあるべき未来をディスカッション、番組内で出たゲストとのアイデアのうち、より具体性のあるものについては製品やイベントに落とし込むことまで考えていく番組となっている。

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過去公開動画はこちら
第2回 HERO X RADIO 放送内容You Tube
第1回 HERO X RADIO 放送内容You Tube
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前回第2回目のゲストは、インタラクティブデザインによって社会をアップデートすることを使命に、スポーツ×テクノロジーの領域でも活躍する株式会社ワントゥーテン (https://www.1-10.com) 代表取締役社長のサワベヨシアキ(澤邊芳明) さん。

サワベヨシアキさん

株式会社ワントゥーテン代表取締役社長 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 アドバイザー 一般社団法人日本財団パラリンピックサポートセンター 顧問 TOKYO2020入賞メダルデザイン審査会 メンバー 一般社団法人超人スポーツ協会 理事 一般社団法人日本ボッチャ協会 理事等

ゲストのサワベヨシアキさんが代表を務める株式会社ワントゥーテンは、もともと広告中心のクリエイティブスタジオとしてスタート。現在は映像や空間演出、またスポーツに至るまで守備範囲を広げている。都市公園法が改定されたことで実現した「芝離宮夜会」は8日間で1万人動員、歌舞伎座でのプロジェクションマッピングを用いた公演「七月大歌舞伎」など、サワベ氏率いる同社が手がけるクリエイティブワークは、伝統の拡張表現と評され、話題を呼んでいる。こうしたあたらしい表現や価値を生みだすクリエイティブ性は、社会に影響力のある企業のひとつと言えるだろう。

今回のテーマは「一歩先のデジタルコミュニケーション」。放送では、同社の手がける「CYBER WHEEL (サイバーウィール|http://hero-x.jp/movie/1256/)」や「CYBER BOCCIA (サイバーボッチャ|http://hero-x.jp/article/1404/)」を例にとり、エンターテイメント×スポーツついて、HERO X 編集長・杉原が斬り込んでいく。車いす陸上やボッチャなどのパラ競技が、デジタル表現によってアップデートされたことにより、果たして社会をどのように変えていくのか。

後半では、あと1年となった2020年や近い未来に向け、東京2020が一過性とならないにはどうしていくべきか、話が膨らむ。「日本クレイジー!ヤバい!」と言わせたい3人のアイデアは、“ハッピーになる”テクノロジーの使い方。渋谷のどまんなかでサイバースポーツが楽しめる、「サイバージム」や「サイバー体育館」があったらなど…! 高齢化社会やハンディキャップが身近にある、私たちの近い将来に向け、「気づいたら楽しんでやっていた」「楽しませるために使った技術によって、結果的に課題が解決されている」、そんなエンターテイメントが入り口になるのが、いまの時代だという。ぜひ公開動画をチェックしていただきたい。

また、次回第3回目となるオンエアは、2月22日(金)13時~。現役復帰し東京2020でメダル獲得をめざすプロ車いすランナーで北京2008 金メダリストの伊藤智也さんをゲストに迎え、どんな話が繰り広げられるのか。どうぞご期待ください。

伊藤智也さん

伊藤智也 (いとう・ともや)
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。プロ車いすランナー (バイエル薬品株式会社所属)。若干19歳で人材派遣会社を設立。従業員200名を抱える経営者として活躍していたが、1998年に多発性硬化症を発症。翌年より、車いす陸上競技をはじめ、2005年プロの車いすランナーに転向。北京パラリンピック 400M / 800Mで金メダル、ロンドンパラリンピック 200M / 400M / 800Mで銀メダルを獲得し、車いす陸上選手として、不動の地位を確立。ロンドンパラリンピックで引退を表明するも、2016年に現役復帰、2017年8月、HERO X (http://hero-x.jp/article/994/)にて東京2020で復活をめざすことを発表した。

また、各種企業、団体、学校等年間30~50本。メディアへの出演、多数の著書や新聞の連載等をもつ。

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HERO X RADIO
毎週第2・第4金曜 13:00-13:50 ONAIR
http://shibuyacrossfm.jp/

(text: HERO X 編集部)

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