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東京2020 パラリンピック競技大会日本代表記事総ざらい②

HERO X編集部

いよいよ開幕した東京2020パラリンピック。HERO Xで過去に掲載したパラリンピック選手にまつわる人気記事を紹介する。

パラの二刀流選手。
山本篤が攻めるギリギリのラインとは?
【HEROS】

山本篤選手は、これまでに北京、ロンドン、リオのパラリンピックに出場してきた義足の陸上選手で、日本初のパラリンピック・メダリストとなった第一人者と言える存在だ。2018年は平昌大会のスノーボード日本代表として、夏冬両大会への出場も果たしている。東京2020では陸上男子走り幅跳び(義足T63)に出場し、悲願の金メダルをめざす。書籍の出版やメディア出演を通して、パラスポーツの普及活動にも取り組んできた。記事ではそんな山本選手の、パラスポーツにかける並々ならぬ情熱を伝える。

記事を読む▶パラの二刀流選手。山本篤が攻めるギリギリのラインとは?【HEROS】

女子大生チェアスキーヤー村岡桃佳。
「金」に向かって一直線!
【2018年冬季パラリンピック注目選手】

平昌大会での金メダル獲得に続き、東京2020大会の陸上女子100メートル(車いすT54)で金を狙う村岡桃佳選手。記事は、村岡選手とHERO X編集長・杉原による2018年の対談だ。平昌大会で初の金メダル獲得に期待が高まっていた当時は21歳の誕生日を迎えたばかり。「少し前までの私は、本当にただの甘ったれた大学生でした」という村岡選手は、見事、金メダリストとして大成した。その成長過程を裏表なく語り合う対談で、パラアスリートの等身大の姿を見せてくれた。

記事を読む▶女子大生チェアスキーヤー村岡桃佳。「金」に向かって一直線!【2018年冬季パラリンピック注目選手】

目指すは表彰台の一番高いところ!
女子陸上短距離エース・髙桑早生
【HEROS】

東京2020の陸上女子走り幅跳び(義足T64)で表彰台を狙う髙桑早生選手を取材した2018年。東京2020への熱い思いを胸に、アスリートとして生きる覚悟や心構えを力強く語る一方で、一人の女性としての趣味やプライベートなども笑顔で話してくれた、和やかなインタビューとなった。髙桑選手のホームグラウンドである慶應義塾大学日吉キャンパスの陸上競技場に足を運んで取材をしたこの記事では、トレーニングの様子も紹介している。

記事を読む▶目指すは表彰台の一番高いところ!女子陸上短距離エース・髙桑早生 【HEROS】

日本初の義足プロアスリート鈴木徹は、
2020をどう迎えるのか
【HEROS】

日本初の義足の走り高跳び(切断などT44)代表選手として、2000年シドニーパラリンピックに出場して以来、5大会連続入賞を果たし、第一線で活躍してきた鈴木徹選手。記事では、活躍が期待される東京2020に向けて、どんな日々を過ごしていたのかを伝える。選手としての活躍のみならず、怪我や病気と戦い、乗り越えてきた自らの経験を子どもたちに伝えることにも情熱を注いできた鈴木選手。愛用する競技用義足やトレーニングに対する独自のこだわりから、パラスポーツの伝道者としての取り組みまで、あふれんばかりの話題を提供してくれた。

記事を読む▶日本初の義足プロアスリート鈴木徹は、2020をどう迎えるのか【HEROS】

実業団チームGROP SINCERITE WORLD-ACの
松永仁志が考える、国内スポーツ界の新たな在り方とは!?

リオパラリンピックで銀メダル、2017年の世界大会で金メダルを獲得し、2018年には世界新記録を打ち立てた佐藤友祈選手。東京2020ではパラリンピックで自身初となる金メダル獲得に挑戦する。記事では、その佐藤選手が所属していた実業団チーム『GROP SINCERITE WORLD-AC』を率いる松永仁志へのインタビューをお届けする。「次世代のパラアスリートたちに選手として多くの成績を残してほしい。そして、その後も通用する人間形成をすることで、引退後の人生設計も含めた新たなキャリアを創出したい」パラスポーツを通して社会貢献に取り組む、崇高な思いを語った。

記事を読む▶実業団チームGROP SINCERITE WORLD-ACの松永仁志が考える、国内スポーツ界の新たな在り方とは!?

(text: HERO X編集部)

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実はスンゴイ経済効果!各国がこぞって開催地に手を挙げるワケ

高橋二朗

コロナの影響で開催が危ぶまれる東京オリンピック。一流選手を間近で見られるというチャンスと共に、経済効果も注目を集めていた。オリンピックの中止は経済に対する打撃もあるため、安全か経済かという議論が沸き起こるのは当然だろう。実は、各国にもたらす経済効果としての視点で見ると、モータースポーツも同じことが言えるのではないか。今回は、そんな経済とスポーツ興行の関係性をモータースポーツジャーナリストの高橋二朗氏が解説する。

どれだけ知ってる?
モータースポーツ

誰もが知るF1を筆頭とする華やかなレースで人々を魅了するモータースポーツだが、その裏で繰り広げられる経済活動についてはあまり知られていないかもしれない。今回はそんなモータースポーツの裏側を紹介しよう。

まずはモータースポーツの説明から。ひとくちにモータースポーツといっても、いろいろなカテゴリーが存在する。モータースポーツのために造られたコースで行われるのがサーキットモータースポーツ。レースがその代表で、その最高峰が世界フォーミュラ・ワン選手権(F1)となっている。一方、専用に造られたコースだけでなく、公道と一部の特設コースを使って行われるのがラリーだ。こちらのトップレースが世界ラリー選手権(WRC)だ。そして、サーキットで距離の長い競技を行うのが世界耐久レース選手権(WEC)、有名どころだけでも三種類があるわけだ。

各々シリーズによって参加できる車両の規則が異なり、各シリーズは年間に複数の大会を催してそのトータルポイント(または有効ポイント制)で年間のチャンピオンを決定している。ワールドステイタスのシリーズ(世界選手権)では、グローバルに転戦、日本も開催地のひとつである。今年はF1の日本グランプリ(鈴鹿サーキット)、WECの日本大会 FUJI 6時間レース(富士スピードウエイ)、WRCの日本大会 Rally Japan(愛知県・岐阜県内)が予定されている。世界的なコロナ禍でも予定通りのイベントが行われることを祈るばかりだ。また、日本国内だけで完結する国内選手権もある。レースでは全日本SUPER FORMULA選手権、SUPER GT選手権。ラリーでは、全日本ラリー選手権をトップカテゴリーとしてこちらは日本各地で競技が行われている。F1は、グランプリ=GPという、その国でのトップイベントである名称が与えられている。各国名に「GP」が付けられるトップステイタスのレースは格式が高く、華やかで、煌びやかで他のシリーズとはグレードが違う扱いとなる。

当然、F1GPに参戦する車両も一流のものが集まる。モータースポーツの最高のテクノロジーを結集した車両は、参加チーム独自で製作したものでなくてはならないというルールがあるため、独自のファクトリーで製作されたシャシー(自動車の基本骨格)に、エンジンメーカーから供給されるエンジンを搭載しているという組み合わせでマシンは作り出されている。今シーズン7年ぶりに参戦する日本人ドライバー角田裕毅選手がハンドルを握るのは、イタリアに本拠を置くアルファタウリチームのマシンだ。シャシーには、日本のホンダエンジンが搭載されている。

ところで、一体このマシンはいくらくらいするのだろうか? 最高水準のレーシングマシン製作技術によって製作するマシンは金額で換算することが難しいと言われているのだが、F1に参戦しているチームの年間予算はトップチームで約600億円、下位チームでも約100億円を下らないと報じられる。これはチームの運営全体の予算額で、マシンの開発・製作費も当然この中に含まれている。とにかく膨大な軍資金がいることに違いはない。

ここで登場するのがスポンサーだ。各チームはこうした経費を賄うためにマシンのボディーにスポンサーのロゴを大きく露出させている。このため、F1マシンは“走る広告塔”とも言われるのだ。あまり知られていないことだが、スポンサーの中には金銭的なサポートと共に技術パートナーとして参画する企業もある。チームの年間予算が莫大であることや、スポンサー料、ドライバーの報酬など、やはりF1GPにうごめくお金は、他のシリーズとは桁が違う。

意外と知らないF1と経済の関係性

F1GPの運営は現在、『F1グループ』が行っていて、権利関係のマネジメントの全てを司っている。F1グループは、各国の主催者(日本は鈴鹿サーキット)から興行開催権料を支払ってもらい、F1GPシリーズの運営をし、各チーム・ドライバーへ利益分配を行なっている。

当然F1GP開催地への経済効果は大きなものとなる。全日本選手権レベルの大会の例を見ても、SUPER GTは、一大会で約1,000人の関係者が開催地に移動。その関係者の移動費、宿泊費、飲食費など地元に投下される金額、それに伴う税収入は、数日という短期間でも一つの産業並みとなる。つまり、モータースポーツは、転戦する産業という一面を持っているのだ。

サーキットは、観客の入場収入と大会のタイトルスポンサー、サブタイトルスポンサーからスポンサー料金を得ている。その対価としてスポンサーは、看板でのスポンサー名の露出、中継TVでの露出、その他の方法でスポンサーの存在を周知させる。関係者だけでなく、サーキットへの観客の移動費、宿泊費、飲食費などが発生するわけで、それが地元の税収入になるのだから、サーキットのみならず、その自治体も大規模なイベントの誘致を望むわけだ。F1GPがヨーロッパ大陸で転戦する場合には、自国の観客だけでなく隣接する国から国境を超えて観戦に来ることも期待できる。

そして長年モータースポーツの取材を続ける筆者も、モータースポーツの経済効果を痛感する出来事があった。2004年、日本初のWRCが北海道の帯広市を中心にして開催された(以後、2007年まで毎年開催)。筆者ももちろん取材で参加していた。開催から数年経て帯広を訪れた際に、WRC主催者からメディアに配布されたイベントのロゴ入りのバッグを肩にかけて駅前の駐車場に立ち寄ると、料金所の老人に声をかけられた。

「あなたは、ラリーの人か? もう一回ラリーを呼んでもらいたい。ラリーは帯広の商店、飲食店、うちみたいな駐車場を儲からせてくれた。もう一度お願いしたい」地元の方からの声は、モータースポーツがもたらす開催地への経済効果を証明していた。

短・長二つの経済効果とは

モータースポーツが開催されるサーキットのグランドスタンドの裏で展開される公式グッズ販売は、チームやドライバーの人気度によって売り上げが大きく左右される。ファンはご贔屓チーム・ドライバーのグッズを求めるのは当然だ。F1GP開催日のトータル売り上げは1店舗で数百万円を記録したということを聞いたが、その金額の数十倍、数百倍という規模で長期的な効果も生み出している。エンジン供給メーカー、ホンダは、創業間もなく、そのモータースポーツ活動によってホンダファンを生み出し、4輪・2輪のホンダオーナーを生み出している。この状況もいち自動車メーカーの利益だけでなく、開催国、開催地への利益供与と捉えても良いだろう。

近年、世界的な観光地がF1GPの開催誘致に積極的なのだが、先日2022年アメリカ・マイアミでの開催が発表された。原則として一国内の開催はひとつのGPだけ(1国1GP)だったのだが、イタリアのようにモンツァサーキットで行われるイタリアGPに加えて、サンマリノGPの名称でイモラサーキットにおいて開催される例もあった。今シーズンは第2戦としてエミリア・ロマーニャGPを同イモラサーキットで開催する。多額のF1GP開催権料をF1グループに支払っても利益が見込める故に、開催に名乗りを上げたのだ。F1GPの開催は、地元への経済効果を望むだけではなく、その国の経済発展、経済力を世界に示す役目も持っている。

1950年からスタートして現在に至るF1GPは、伝統的に開催をしてきた国々に新たな開催国を加えて、今シーズンは23戦を予定している。新たに加わった東欧の国はその存在感を世界に示し、また中近東の国々は、その経済力をアピールするためにF1GPを開催しているともいえる。小国ながら世界のセレブの憧れの地、モナコは、公道を一時的に閉鎖してレースを開催している。近代的なサーキットに比べて安全性は決して高いとは言えないモナコGPだが、これは伝統を重んじる一面をF1グループが継承しているがゆえだろう。アジアの小国、シンガポールでも海側の埋め立て地に広がる新市街の公道を用いて、ナイトレースを開催している。世界に放映されるテレビ中継の時間帯としても欧米に有利な時間帯で生中継できるナイトレースは、観光立国のシンガポールとして、経済効果でもダブルのメリットが期待できる。最終戦、第23戦の地、アブダビGPもナイトレースで開催される。こちらのダブルメリットはテレビの放映時間帯と夜間に気温が下がるという点だ。

オランダGPが今年復活する。1985年以来開催されていなかった同GPは2020年に行われる予定だったが、コロナ禍で延期を余儀なくされ、今シーズンの第13戦でカレンダーに組み込まれた。その裏には、世界チャンピオン最有力候補であるレッドブルチームのオランダ人ドライバー、マックス・フェルスタッペン選手の存在が大きい。オランダGPが開催されていなかった時には多くのオランダ人ファンがベルギーGPや、他のヨーロッパ大陸のサーキットへ詰めかけた。ホンダのエンジンを駆るレッドブルはホンダの供給最終年にオランダ人初のF1チャンピオンの可能性が高くなり、経済効果だけではなく、モータースポーツ好きの国民の高揚を狙っている。お国柄、日本とはその度合いは異なるが、角田選手とホンダの活躍による国内の経済効果は明確な数字には表れないが、有形無形の経済的な効果を生み出しているのは事実だ。

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(text: 高橋二朗)

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