プロダクト PRODUCT

既存の車いすに装着するだけ!高速走行を可能にする次世代モビリティ「e-pilot」

中村竜也 -R.G.C

まず初めに伝えておきたいことがある。ここ日本の道路交通法では、電動車いすの制限速度は時速6km以下と定められているため、最高速度20kmを誇るこのモビリティは日本の公道での使用は不可なのだ。しかし、それが分かっていても紹介する価値があるのが、この『e-pilot』。


見た目以上にパワフルな、
新時代のパーソナルモビリティ

本体重量 18.4 kg、許容最大重量 100kg、販売価格 およそ70万円。[引用元:Believe

コンパクト、ポータブル、そして走破性と、今までの電動車いすには持ちあわせていなかった点を解決した優れものが、欧州最大の福祉機器展「REHACARE 2018」で話題を呼んだ。既存の折り畳み車いすに装着するだけで、スポーティな電動車いすに変身させてしまうという画期的なアイデアで世界を驚かせたのは、ドイツ北部のハルテンホルムを拠点とするalber社。同社は、簡単で便利な電気モビリティの開発に特化した企業である。

[引用元:Believe

世界的キーワードの
「高速クルージング」を具現化

今や、モビリティ業界の中では、コンパクト化という面はすでに世界の常識になりつつあるが、燃費も備えた高速クルージングはまだまだ発展途上な部分もある。しかし、このe-pilotが出す最高速度は、20km/hというから驚きだ。これだけシンプルな作りで、これほどのパワーを持ち合わせるものが今まであっただろうか。気になる燃費も最大50kmと、ざっくりではあるが、東京駅から鎌倉駅まで行けてしまうほどの距離を走行可能としている。また大きく作られた車輪は、街中のちょっとした段差もラクに乗り越え、さらに車いすユーザーが今まででは考えられなかったオフロード走行などのアクティビティにも挑戦でき、ユーザーの可能性を広げてくれている。

前述したように、安全性を確保するための法律はもちろん重要なのだが、すべての人が生きやすい真のバリヤフリーを実現するためにも、モビリティの概念を国を挙げて考え直す時期なのかもしれない。そして様々な分野で進む多様化に乗り遅れないよう、すべての人がすべての事を「自分事化」できたら、きっと素敵な世界が待っているはず。そんな事を再考させられるほど、e-pilotは先進のモビリティなのだ。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/zOa4ad7SaV0

(text: 中村竜也 -R.G.C)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

プロダクト PRODUCT

ギリシャの建築家が生んだ、4WDハイブリッド車いす

岸 由利子 | Yuriko Kishi

世界には、約6500万人の車いす利用者がいると言われている。“車いす”という名の通り、座った状態で乗るモビリティではあるが、実際、利用者に聞くと、例えば、流し台の上の棚にあるモノを取りたい時、目線を合わせて家族と話したい時など、座ったままの姿勢では、日常生活のちょっとしたことに困難が生じる場面は多々あるという。「ラッドローラー」は、そんな悩みを解消するべく、レバー操作一つで、座位からスムーズに直立姿勢になれる画期的な車いすだ。

引用元:Digital Trends

従来の車いすが二輪であるところ、ラッドローラーは、ユニークな形状の後輪を含む四輪駆動。レバー操作による車輪の動きだけで、利用者の姿勢を座位から立位へと自在に変えることができる。過去にも、“立てる車いす”は存在したが、重量が重く、スピードも遅いという問題があった。ラッドローラーは、その点も十分に考慮した上で設計されており、姿勢の変更速度も、極めてスムーズ。体を起こした立位のまま、移動もできる。

車いす利用者の移動に最も支障をきたすのは、高めの段差や、溝などのあるデコボコ道。ラッドローラーは、それらにも対応できるよう、強靭に設計されているので、安心して街に出ていくことができるし、行動範囲も、格段に広がるだろう。さらに、シンプルな組み立て式の仕様なので、車のトランクに積んでもかさばらず、コンパクトに持ち運べる。

引用元:Digital Trends

ラッドローラーの開発を手掛けたのは、ギリシャの建築家、ディミトリオス・ペトロトス氏。ある車いす利用者の自宅のリフォームを手掛けたことがきっかけとなり、「もっと自由に姿勢を変えられる車いすを作ることはできないか」と、開発に乗り出したそうだ。

2016年10月にスイス・チューリッヒで初開催された「サイバスロン」では、車いすフェンシングのカリオピ・ロゥファキ選手が、ラッドローラーの初期モデルを乗りこなし、大きな話題を呼んだ。

現在、ペトロトス氏率いる開発チームは、2020年5月に再びチューリッヒで開催されるサイバスロン大会に向けて、キックスターターでクラウドファンディングを行うなど、勢力的に活動している。その先に見据えるのは、ラッドローラーを量産体制にのせること。理由はただ一つ、「もしかすると、何万人もの人々の生活を変えることができるかもしれないから」。

車いすで行きたい場所に、行きたい時に自由に行ける。より多くの人がそれを叶えられた時こそ、本当の意味でバリアフリー社会が実現したといえるのではないだろうか。

[TOP動画引用元]https://youtu.be/TXFFjAgeSU8

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー