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骨折の治癒速度が格段にアップ!低出力超音波パルスを装備した「3Dプリントギプス」

岸 由利子 | Yuriko Kishi

骨折した時にはめるギプスは、固くて重く、蒸れるとかゆみが生じて臭う。そんな悩みを解決すべく、3Dプリント技術を駆使して作られたギプスはこれまでにもあった。数ある中でも、トルコの工業デザイナー、Deniz Karaşahin氏が手掛ける「Osteoid Medical Cast」が画期的なのは、不快指数を減らすだけでなく、骨折の治癒速度まで早めた点にある。3Dプリンタ技術に低出力超音波パルス(LIPUS)を統合させた近未来的ギプス。その全貌をご紹介しよう。

3Dプリントギプス「Osteoid Medical Cast」は、腕と親指の付け根周辺を覆う2つのパーツで構成されている。付ける人の腕をスキャンしてモデリングされたギプスには、固定状態をしっかりと保つためのロックシステムが付加してあり、フィット感、安定感ともに抜群。

近年、低出力超音波パルス(LIPUS)によって骨の癒合が促進されることが分かり、治療にも取り入れられるようになったが、従来の石膏ギプスをはめた状態では、超音波を発するプローブを患部の肌に直接当てることができないため、この技術を導入することは難しいと言われていた。

一方、多孔性の形状を持つOsteoid Medical Castなら、その穴の形に合わせたプローブをじかに肌に当てることができる。1日20分間、患部の肌に超音波を当てることによって、骨に刺激が与えられ、治癒速度は約38%早まることが実証されている。骨折の状態や部位によって多少異なるが、従来のギプスと比べて、完治率もはるかに高められるという。

「海綿骨の配列からデザインの着想を得ました。医療用ギプスと記号論的な関係があるからです。私のアルゴリズムの背景には、より強固な構造を備えたギプスを、人々に平等に供給するという目的があります」とKaraşahin氏。

クールな外装は、単なる見た目の美しさを目指したものではなく、研ぎ澄まされた機能美。通気性にも優れたこの3Dプリントギプスなら、かゆみや臭いの悩みからも解放される。さらに「(ギプスを付けたまま)泳ぐことだってできます」と同氏は付け加える。

Osteoid Medical Cast は、2014年のA’Design Awardの3Dプリントフォーム・プロダクトデザイン部門で金賞を受賞して以来、米国の個人クリニックや政府所有のクリニックからコンタクトを受けるなど、大きな注目を浴びた。発表した当時、Karaşahin氏はまだ学生であり、3Dプリントギプスはコンセプトデザインの段階だったが、その後も製品化に向けた開発を進め、いくつかのパテントを取得。学会に所属していなかったことから、一時期、開発の保留を余儀なくされるも、3年ほど前に自身で会社を設立し、技術革新に力を注いでいる。

米国AP通信社がYouTube上で公開しているアーカイブ映像によると、Karaşahin氏は、脳性まひを患う5才の少年のためにギプスの試作も手掛けていた。

「障がいは身体の動きを制限し、四肢の成長にも影響します。少年は、腕を安定させるためのギプスを必要としていました」

骨折だけでなく、他の医療的用途の可能性も秘めたOsteoid Medical Castの製品化を待ち望む人は多い。今後の動向に注目したい。

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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優れた走破性でどこにでも出かけられる!ヤマハの低速モビリティ「YNF-01」

Yuka Shingai

自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、近年注目を集めている低速モビリティ。渋滞緩和や省スペースが求められている都市部から、バスや鉄道などの公共交通機関が少なく、高齢者向けの手軽な移動手段を必要とする地方まで、幅広いニーズに対応可能な乗り物として、国土交通省からも猛プッシュを受ける存在だ。各自動車メーカーが、こぞってこのジャンルに取り組んでいるが、去る10月に開催された「第45回 国際福祉機器展 H.C.R.2018」にてヤマハ発動機株式会社が出展した「YNF-01」は、見た目からしてインパクト大だ。

これまでもROV (Recreational Off highway Vehicle)とも呼ばれるオフロード車両やATV(四輪バギー)などで、技術やノウハウを蓄積してきたヤマハ発動機株式会社。「YNF-01」はコンパクトながらも大径タイヤと衝撃を吸収する4輪独立サスペンションが不安定な路面での走行も自由自在にしてくれる。乗る人をしなやかに包むフレーム設計は「ホールド感」と「開放感」が同時に実現、凸凹や段差などを越える時にも態勢を崩しにくい丈夫な設計は運転する際の安心感にも繋がる。

シルバー×バーミリオン、ダークブルー×マットシルバーのカラーリングやマテリアルはオフロード車らしいハードかつスタイリッシュな雰囲気を醸し出し、乗る人の冒険心に火をつけてくれそうだ。

個人での利用にとどまらず、今後は企業・団体・自治体とコラボレーションして商業施設やテーマパークのバリアフリー化や新しい観光スタイルを模索していく予定。誰でもアクティブに動き回れるワンマイルモビリティとしての可能性は無限に広がっている。

(text: Yuka Shingai)

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