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ワクチンの大規模摂取が進む今、改めて「消毒」見直そう!

Yuka Shingai

日本国内のワクチン接種は欧米諸国と比べて大きく遅れをとっていたが、大規模摂取センターでの接種が始まり、イベント会場や全国の大学が接種会場の提供を名乗りあげるなど接種の加速が期待されている。会場の確保は見込めそうだが、大人数が一堂に会することを想定すると、効率のよい感染対策も必須となりそうだ。ニューノーマルを語る上で外せない「消毒」を取り上げたトピックをまとめてご紹介しよう。

中国で消毒剤を
散布に貢献した農業用ドローン

農業の自動化、スマート化を世界中に推進してきた中国の農業用ドローンメーカー、XAG社はその技術力を新型コロナウイルスの感染対策にも活用してきた。感染症を封じ込めるために特別基金500万元(約7500万円)を提供するほか、農業用ドローン2600台を率いて、中国20州の90憶平方メートルに及ぶエリアの消毒を有志で行ってきた。ドローン1台につき、1日に消毒できる範囲は最大で60~70万平方メートルとその威力は絶大。たとえば東京・大手町の合同庁舎第3号館(2925平方メートル)なら10分足らずでくまなく消毒できるという計算だ。
また、ドローンが進出できない細かい区画向けには農業用無人車「R80」と360度ハイスピードの噴霧器「JetSprayer™」を組み合わせるなど、消毒に関しては全方位的に威力を発揮。モビリティやロボットなどテクノロジーの活用が目覚ましい中国のコロナウイルス対策の中でも、最も成功した事例の1つと言えるだろう。

記事を読む ▶ 農業用ドローンXAGが消毒剤を散布!コロナ対策にジョイン

日本企業も活躍!
“世界一の霧”「ドライフォグ」

1954年創業、1961年に世界初のセラミックスプレーノズルの生産に成功して以来、世界のリーディングカンパニーとして、そして国内でもトップシェアを誇る、いけうち社。
粒子径が10~100ミクロンの液体が一般的な霧の粒度であるのに対し、同社は平均粒子径10ミクロン以下、かつ自社開発したAKIJet®ノズル(1979年)を使用することで平均7.5ミクロン程度にまで抑えることができる。その細かさから付着しても水滴にならず、直接触れても濡れないことから「ドライフォグ」と名付けられている。人の多い空間で、ウイルスを死滅させる薬剤を散布しても、濡れによる心配を危惧することなく、精度の高い消毒・除菌効果が期待できる。付着したウイルスだけでなく、浮遊するウイルスの殺菌にも効果的だ。
いけうち社のノズルを使ったドライフォグを感染対策にいち早く取り入れたのはなんとイタリアだ。2020年4月にはアメリカに次ぐ死者数で感染状況の深刻さを物語っていたが、駅構内やスーパーマーケット、トイレなどを積極的に除菌し、一定の効果を上げていたという。

記事を読む ▶ コロナウイルスに勝てる日はくるの?コロナ対策の救世主日本が誇る“世界一の霧”「ドライフォグ」とは?

首都圏では緊急事態宣言が再度延長となり、新しい変異株が発生するなど、まだまだ予断を許さない状況が続く。もはや常識、日々のルーティーンにもなった感のある消毒、殺菌についても、より効果的な手法を改めて見直してみたい。

(text: Yuka Shingai)

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緊急事態を知らせてくれるスマートリストバンド「KEZ」

Yuka Shingai

急な病気やケガに迷子、自宅や外出先での転倒…小さな子どもや高齢者が家族にいると “緊急事態” は日常と隣りあわせだ。スマホを持たせておけば万事解決という意見もあるかもしれないが、体調不良時やパニックを起こした場合にはとっさに操作できない可能性も高く、家族はおろか119番通報もままならないかもしれない。ただ “緊急事態” であることを知らせることはできないか。 バイオセンサーをベースにしたスマートリストバンド、『KEZ』はそんなシンプルなリクエストに応えてくれそうなアイテムだ。

韓国人チームによって開発された『KEZ』はリアルタイムで心拍、血圧、体温などをモニタリングし続け、独自のアルゴリズムによって、ちょっとしたストレスの発症や激しい運動などを含む “通常の状態” とそれ以外の “緊急事態” を区別している。

心拍の上昇、筋肉の緊張やストレスホルモンの発生など “緊急状態” を検知すると 360°魚眼カメラが15秒間、状況を記録し始め、自動的に保護者や介護者に動画を送ってくれるので、ボタンを押すなどユーザー側のアクションは不要。

あわせて、GPS機能によって正確な位置情報と地図も提供されるため、たとえ電話でコンタクトが取れない状況下でも、どこで “緊急事態” が発生したのか、どこに駆けつければよいかが分かり、すぐに行動を起こすことが可能だ。

2018年12月にクラウドファンディング INDIEGOGOでの支援募集を開始した『KEZ』は、今後製品テスト、アプリケーションテストを経たのち、8月から出荷を開始する予定。

スマホや防犯ブザーとはまた異なる視点で、安全を確保する時代がやってくるかもしれない。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/ZXbjyI5WbwA

(text: Yuka Shingai)

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