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体の不自由など理由にならない。片足のブレイクダンサー・Jean Sokが魅せる究極の舞

中村竜也 -R.G.C

アスリートやファッションモデル、そして様々なジャンルのパフォーマーなど、ハンディキャップをもつ人々は、その活躍の場を確実に広げている。そこには、テクノロジーの進化や彼ら自身のアイデンティティーの確立など、時代とともにその多様性が認められた結果があるからではなかろうか。そして今回、またしてもとんでもない男が現れた。

彼の名は、アジア系フランス人の片足ブレイクダンサー・“B-Boy Hourth aka. Jean Sok”。そもそもブレイクダンスとは、1970年代ニューヨークのサウスブロンクス地区に住む若者たちの争いを、銃の代わりにダンスバトルで解決に導いたのが起源。その人間離れしたアクロバティックな動きは見ているものを虜にする魅力がある。

そしてこの“B-Boy Hourth aka. Jean Sok”は、シンボルマークとも言える松葉杖を、手足以上の動きを可能とした第五の肢として見事に使いこなすだけではなく、きっちりと音にはめながらフットワークやパワームーブを披露する。この世界トップレベルのブレイクダンスが認められ、過去にはシルク・ドゥ・ソレイユの『Michael Jackson The Immortal World Tour』への参加や、ビルボードミュージックアワードでのパーフォーマンスなど華々しい経歴へと繋がったのだ。

彼の信念である“believe your dream and never give up(夢を信じ諦めるな)”。言葉にするのは簡単だが、夢を追い続けることは並大抵のことではない。多くの人が年を重ねるにつけ利口に生きる道を選びがちになるが、彼のダンスを見ていると、自らを信じ戦い続けた者だけが知る景色を、なぜだかもう一度見たくなる。


[引用元]https://youtu.be/YgWLw0nY8r0

[TOP動画 引用元]https://youtu.be/pEMTTsml7hY

 

(text: 中村竜也 -R.G.C)

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00年生まれのBMXレーサー、中井飛馬に刮目せよ!

川瀬拓郎

BMXレース日本代表候補の強化選手として、国内外を転戦し続けている中井選手。知っているようで、実際はよく知られていないこの競技を中井選手自身にご説明いただいた。オリンピックでの活躍が期待される日本のエースを、今のうちからチェックすべし。

筆者を含めご存知の方は少ないと思うが、BMXレースは2008年の北京オリンピックから正式種目としてエントリーされ、来年で4回目の開催となる。この競技において、全日本ジュニアチャンピオン、アジアジュニア王者、ジュニア世界ランキング1位という、輝かしいキャリアを持つのが、中井飛馬(なかい・あすま)選手だ。

「父親の知人の勧めで、5歳の頃から BMX を始めました。出身が新潟県上越市なのですが、自宅から自転車で5分ほどの場所に、BMX のコースがあったのです。レース専用に整備されたコースは当時から珍しく、練習場が近所にあることは自分にとって大きなアドバンテージでした」

BMX と言えば、映画『E.T.』を思い浮かべる人も少なくないだろう。公開後、劇中で使用された日本製 BMX は世界的な大ヒットとなり、70年代のアメリカで生まれた BMX が、80年代の日本でも広く認知されるきっかけとなった。また、BMX には大ジャンプを繰り出したり、曲芸のようなパフォーマンスを披露したり……。世代やエクストリームスポーツへの関心度によって、BMX の姿は人それぞれに異なってくる。では、そもそも “BMXレース” とはどんな競技なのだろう?

「BMX は、まずレースとフリースタイルに大別できます。フリースタイルは、レースとともにもうひとつのオリンピック正式種目となった “パーク”、様々な技を競い合う “フラットランド”、障害物が設置されたパークで行われる “ストリート”、スノーボードのハーフパイプのようにジャンプ技を繰り出す “ヴァート”、起伏に富んだオフロードコースでジャンプ技を競う “トレイル” の5つに分けられます。そうした技を競い合う競技とレースは明確に違います。そして、あらゆる BMX の中で最も根本的な競技がレースでもあるのです。MTB(マウンテンバイク)のダウンヒル競技はタイムで競うのですが、BMX は最大8人が同時に出走し、あくまでゴールした順位で競うというのが大きな違いです」

それではBMXレースで用いられるあの小径自転車は、どのような特徴があるのだろうか?

「ハンドルの長さやペダルなど細かな規定がいくつもあるのですが、基本的には20インチのタイヤで、後輪のみブレーキを装備していることが条件です。現在主流になっているフレーム素材は、カーボンとアルミを組み合わせたもの。レースにおいてはフレームのしなりが大切な要素であり、今僕が乗っている BMX はしなり具合とジオメトリック(フレーム形状)がちょうどよく、本当に気に入っています」

BMX レーサーの師を仰ぎ、高校進学とともに上京し、本格的にプロ BMXレーサーとして歩み始めた中井選手。しかし、肘へ衝撃がかかる BMXレースを長年続けてきたことで、思わぬアクシデントに見舞われる。いわゆる野球肘と同様、蓄積したダメージが中井選手の肘を襲う。手術を経てしばらく競技を離れることになるが、彼は腐らずに体幹を鍛えるトレーニングを続け、見事復活を遂げた。

「18歳になった現在は、日体大に通学しながら、ヨーロッパやアメリカへ海外遠征を続けています。主に現在のコーチの住むカリフォルニアでトレーニングをしています。日本国内には、いまだにオリンピック規格のコースが存在していないからです。オリンピック出場のための選考大会は14回あるのですが、その指標とされるのが BMXレースのワールドカップです。世界中の都市で年間10回開催されています。今年の6月にフランスで、9月にはアメリカとアルゼンチンで大会があります。僕は今年もワールドカップに挑戦しているのですが、本当に連戦となります。Youtube でライブ配信もあるので是非チェックしてください」

動画を観たのですが、小径自転車とは思えない猛スピードで、凸凹道を素早く的確なジャンプで駆け抜けるのですね

「最高速度は時速60kmにも及びます。当然、ヘルメットやプロテクターを装着するのですが、レース中は衝突することもしょっちゅうあります。僕も今まで手首を2回、鎖骨を3回、骨折してしまいました(笑)。一度でもコースを走っていただければ、この楽しさが共有してもらえると思うのですが、まずは間近で実際のレースを観ていただきたいですね。その迫力はもちろんですが、レース中の(選手同士の)駆け引きが本当に面白い。今年10月に大阪大会があります。世界のトップライダーが集い、無料で観戦できますので、少しでも興味を持っていただいた方に来場していただければ嬉しいですね」

まさに百聞は一見にしかず。来年の東京2020はもちろんだが、ネット動画を何度見ても、生で観る経験には敵わない。2000年生まれの俊英の勇姿を、是非ともその眼に焼き付けようではないか。

中井飛馬(なかい・あすま)
2000年、新潟県生まれ。5歳のとき BMXレースと出会う。11歳の夏、世界選手権で初めて決勝進出を果たす。以降、海外大会に数多く出場しながら、トレーニングを重ねる。 JCF ユース強化育成選手へ選出された現在、カルフォルニアを拠点に活動を続けている。

(text: 川瀬拓郎)

(photo: 増元幸司)

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