スポーツ SPORTS

日本人パラアルペンスキーメダリストが出演するスペシャルムービーが、最高にかっこいい

中村竜也 -R.G.C

盛り上がりを見せるピョンチャンパラリンピック、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)が制作したスペシャルプロモーションムービー『The Change Maker』が公開された。

パラアスリートが輝いている瞬間の「楽しさ」だけではなく、「苦しみ」や「哀しみ」を乗り越えた先にある真の「楽しさ」を伝え、パラスポーツをより身近に感じてもらうことを目的として制作されたという今作には、HERO Xでも注目してきたパラアルペンスキーの森井大輝選手、狩野亮選手鈴木猛史選手という豪華メダリスト陣が出演。公開直後よりSNS上をはじめ各方面で話題を呼んでいる。

このスペシャルムービーの特筆すべき点は、彼らがパラアスリートの道を歩むきっかけとなった事故現場のシーンを、各々が発した前向きな言葉で今の自分の意思を力強いBGMに乗せ表現しているところ。一方メイキングムービーでは、貴重なオフショットを存分に盛り込み、普段見ることの出来ないリラックスした素顔を垣間見ることができる内容となっている。

彼らの強靭な肉体と気持ちをスタイリッシな映像で表現することで、今までパラアスリートに対し持っていたイメージを覆す仕上がりは必見である。

メイキングムービー
https://youtu.be/bvijL108wPU

(text: 中村竜也 -R.G.C)

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情熱にとりつかれた義足のスケートボーダー、クレメント・ザンニーニ

Yuka Shingai

スポーツ界の明るい未来を担う存在として、義足のスポーツ選手が年代、国籍、競技のジャンルを超えて活躍している。今回紹介するスケートボーダー、クレメント・ザンニーニもそのひとり。ショートパンツとナイキのシューズ姿で華麗に宙を舞い、目を見張るような離れ技から等身大の素顔までSNSで披露する彼はまさにミレニアル世代を代表する義足のアスリートだ。

クレメント・ザンニーニはフランス、ヴィッテル出身の23歳。生まれながらにして右脚が不自由な彼は幼少期から活発でエネルギーに満ちた子どもだった。義足を使ってスケートボードに取り組む彼の表情は、いまもずっと少年のようにひたむきでピュアそのもの。「義足も、スケートボードも僕自身の延長にあるもの」と自分に与えられたものを謳歌する姿は、とびきりチャーミングだ。

エクストリームスポーツに属するスケートボードは、とにかく身体的にも精神的にも強靭さが求められる。町行く歩行者や車にぶつかることなく、4つの車輪がついた板の上で進み続けられるようになるだけでも何カ月もの練習を要するし、急な傾斜やエスカレーターの手すりの上を滑り降りたり、階段の上からジャンプする高度なトリックを成功させるには、体に不自由あるなし、若さに関係なく、相当のスキルが必要だ。派手に転倒することも珍しくはないし、長時間のセッションの後には痛みがつきもの。日常的にひび割れた皮膚をニッパーでケアするのも欠かせない。

右脚の義足では足首を曲げることができないために、ザンニーニには物理的に不可能なトリックも少なくはないが、それでも彼は来る日も来る日も練習し続ける。

「カウチに寝転がって一日中ゲームするなんて考えられないよ、ただ僕はスケートがしたいんだ」

その練習量のヘビーさで義足が壊れてしまうこともある。それも1カ月に1回は起こるのだと言う。

「僕には限界があることも分かっている、だけどそんなことは気にしていない。僕にはスケートボードが全て、それ以外はどうでもいい」

そんな一貫したアティチュードが示すように、スケートボードへの真摯な愛情、それだけが彼をボードに向かわせる。

「自分自身をロールモデルだなんて思わないよ、好きなことをやっているだけ。それだけのことさ」とあくまでも飄々と語る彼の言葉には勇気やくじけない心、しなやかさが秘められている。

スケードボードだけではなく、エクストリームスポーツ界のこれからを照らす存在として、ザンニーニの活躍に期待したい。

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com

(text: Yuka Shingai)

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