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人気のニューバランス「NB 247v2」に、ソニーがかけた魔法

富山 英三郎

ドイツのベルリンで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2018」にて、ソニーの電子ペーパーテクノロジーを搭載した、ニューバランスのプロトタイプシューズ「NB 247v2 Concept Model: Inspired by FES Watch U」(非売品)がお目見えした。

ソニー × ニューバランスのプロトタイプシューズ

ソニーの電子ペーパーを搭載したプロダクトは「FES Watch U(フェスウォッチ ユー)」が知られている。これは、文字盤とベルトが一枚の電子ペーパーでできている腕時計。ボタンを押すだけでデザイン(プリセット全12種類)が変わり、スマホのアプリと連携させれば、さまざまなクリエイターによるデザインを追加できるだけでなく、スマホで撮影した写真やライブラリ画像など、オリジナルデザインを取り込むこともできる。つまり、ひとつの時計で「24時間、7日間」自由自在にデザインを変えることができる画期的な商品なのだ。

一方、ニューバランスの「247(トゥーフォーセブン)」は、「24時間、7日間。日々のライフスタイルシーンを快適にサポートする」をコンセプトに誕生したシューズ。現代のファッションにフィットする、フューチャークラシックなデザインを特徴としており、昨年の発売以来すでに「247リュクス」「247スポーツ」「247クラシック」など、色や細部のパーツを変化させたモデルが次々と発表されていった。そして、2018年には第2弾となる「247v2」へと進化。今では同社のライフスタイルカテゴリーを代表する人気モデルへと成長している。

「24時間、7日間」を楽しくおしゃれに快適に過ごすプロダクト。そんな両者の共通点から生まれた今回の「NB 247v2 Concept Model: Inspired by FES Watch U」。ソニーの電子ペーパーは、ニューバランスを象徴するNロゴおよびアウトソールに搭載されており、同モデル専用に開発された複数の絵柄を表示できる。また、このスペシャル企画に合わせて「FES Watch U」のアプリでは「NB 247v2」にインスパイアされたデザインも期間限定でダウンロード可能となっている。

この技術が発展していけば、今後スニーカーは全面が電子ペーパーとなり、色や画像を自由にセレクトして楽しむ時代がやってくるかもしれない。そんな新しい時代を予見させる、わくわくとするプロトタイプシューズとなっている。

(text: 富山 英三郎)

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スーツケースにも収納可能!史上最少&最軽量の電動車いす「eFOLDi Lite」

Yuka Shingai

機動力、スピード、ロック機能による安全性、介助者なしで動き回れる自律性など電動車いすがユーザーにもたらすメリットは数多い。一方で価格や大きさ、バッテリーの持続時間など電動車いすならではのデメリットはユーザー目線のみならず、作り手にとっても最優先で解決したい課題だろう。現在、市場に出回っている電動車いすの中で、最小、最軽量を謳う製品がクラウドファンディングサイト Kickstarer に登場している。

British Invention of the Year 2016年度の受賞者でもある「eFOLDi Lite」は、一見するとまるで子ども用の三輪車のようにコンパクトだが、れっきとした電動車いす。

新種のマグネシウム合金の使用により、フレーム部分は頑丈ながらも15㎏程度と軽量。これは初期モデルよりも30%も軽く、折りたたむとスーツケースに収納できるサイズだ。最大積載量は120㎏、最大時速6㎞のスピードが出せるにも関わらず、1回の充電で22㎞もの走行でき、見た目のスマートさに反してそのスペックは頼もしい限りである。

モビリティの開発やデザインを行う SunTech UK の創始者で、eFOLDi の共同開発者であるSumi Wang 氏によると、eFOLDiは彼の父親 Jianmin Wang 氏が起案したものだという。

中国雑技団のテクニカルディレクターでもあった父・Jianmin 氏はクリエイティビティに溢れた人物で、身体の不自由を抱えた際に、周りに不平不満を漏らすのではなく、自身に自由とプライド、そして楽しさを与えてくれる移動手段が必要だと考えついた。それがこの eFOLDi だ。

その後、Sumi 氏自身も2013年に病に伏し、2年間の通院と手術を余儀なくされたが、それ以前に培ったエンジニアリングやプロジェクトマネジメントの経験を活かし、現在は eFOLDi の開発に携わっている。

現在チャンレンジ中の Kickstarer 終了後は、2020年の3月にも本製品の英国内配送を予定しているとのこと。日本を含む諸外国にも追加送料1万7千円程度で対応できる見込みで、来年の今頃は街中で画期的なモビリティを見かけるかもしれない。

(text: Yuka Shingai)

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