プロダクト PRODUCT

担架にも車いすにも変幻自在!医療現場を救うオランダ発『The Multi Scoop Pro』

Yuka Shingai

HERO Xではこれまで、折り畳めるものやポケッタブルなものなど、形状を変えられるモビリティやガジェットを多数紹介してきたが、「多機能であること」とユーザビリティは切ってもきれない関係なのかもしれない。今回紹介する『The Multi Scoop Pro』もニーズに応じて人や物を運搬してくれる、マルチに活躍するアイテムだ。

オランダのデザイン会社 Studio Rotor が スタートアップ企業 Retter Helfer Medical とともに開発を進めてきた本製品は、数秒で担架から車いすに変えられる特許取得済みのメカニズムが大きな特徴だ。

Studio Rotor は救急隊員の仕事をリサーチするなかで、従来よりある手動の担架は救急車内で重さ60kg以上もある電動タイプの担架に置き換えられていることに気付いた。また、救急車内には患者を担ぎ上げるための担架も用意していることも発覚し、担架と軽量な車いすを合体させられないかというアイデアから、『The Multi Scoop Pro』がデザインされた。

そうすれば救急隊員は車いすモードで装備をゴロゴロ押すこともできるし、必要に応じて担架にすることもできる。緊急事態に置かれている救急車内で、省スペースができるのは救急隊員にとっても、患者にとってもメリットとなりそうだ。

Retter Helfer Medical は2019年末に向けてローンチの準備ができるように、プロダクト開発企業の IDP Amsterdam とともにコンセプト設計を続けているが、正確な時期や価格についてはまだ発表はされていない。医療現場に新たな風を巻き起こす存在として、本格的な運用を応援したい。

[TOP動画引用元: https://vimeo.com/320272098

(text: Yuka Shingai)

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普通の車いすに付けるだけ!坂道だって半分の力ですいすい進める「ニュードライブ」

HERO X 編集部

腕の力だけを使い、前進する車いす。子どもや女性、高齢者など、力の弱い人たちにとって、車いすでの長距離移動は地味に大変。そんな車いす生活者の腕力不安問題を解決してくれるアクセサリー商品が手動レバー式車いす駆動ユニット「ニュードライブ」。わずか数秒で装着できる手軽なお助けアイテムが自由な移動を叶えてくれる。

自分で移動が楽々に

高齢者が乗る車いすを後ろから押す家族の姿、都内ではこうした姿を目にする機会も増えだしている。高齢化の波は確実に日本に訪れているのだが、なぜ彼らは自分で車いすを動かすことができないのか。その答えは車いすに一度乗車するとよく分かる。車いすは両輪についたホイールリムを握り、人力で動かすことで走行するが、両輪を動かすのには想像以上に力がいるのだ。家の中や限られた室内など、距離の短い移動に苦はなくても、旅や街散歩となると移動距離も増えるため、それなりの体力がいる。かくして、後ろから介助者が車いすを押す必要が出てくるのだ。

アビリティーズ・ケアネット株式会社が販売するニュードライブは、車輪にレバーを装着することで漕ぐ力を50%軽減、弱い力での前進、回転、停止を可能にしてくれるため、力に自信のない人の長距離移動に役立つ。車いすユーザーにとっては僅かな傾斜を登るのも大変なこと。ユニバーサルデザインを導入しようと設けられた長いスロープが、体力の弱い車いすユーザーにとってはかなり堪えることがある。しかし、ひとたびこのレバーを装着すれば、こうしたスロープも楽々上ることができるのだ。

 また、子どもの場合、ホイールを動かすために前傾姿勢になることがあるのだが、ニュードライブはレバー式、姿勢を崩すことなく移動ができるのも注目される所以だろう。22インチ用と24インチ用があり、価格は298000円。ネットでも販売中

[画像・動画引用元]アビリティーケアネット

(text: HERO X 編集部)

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