テクノロジー TECHNOLOGY

バーチャル空間に両腕を再現!VRは医学療法の救世主となるか

Yuka Shingai

怪我や病気によって四肢を切断、あるいは、手足はあるが感覚を失った後、存在しないはずの手脚「幻肢」が痛む、難治性の疼痛を患者の多くが体験するという。この「幻肢痛」という症状を和らげるために、近年最も注目を集めるテクノロジーのひとつ、VRが大きく貢献することになりそうだ。

この取り組みを国際カンファレンス「Health2.0 Asia-Japan 2018」で発表したのは株式会社KIDS代表でNPO法人 Mission ARM Japan 副理事長の猪俣一則氏。自身も大きな怪我を経て、幻肢痛を抱える当事者だ。東京大学や東京大学大学院、畿央大学神経リハビリテーション研究センターとの共同開発で、腕に表れる幻肢痛に対応したプログラムを進行中。この「VR療法」は、現在臨床研究終盤を迎え、実際に治療開始となりそうだ。

患者の健肢の動きを赤外線カメラで捉え、それを反転させてバーチャル空間上に両腕を再現する「VR療法」。VRによって幻肢を動かせる感覚を得ることによって痛みが軽減するとのことで、なんと実施後すぐに鎮痛効果が現れるらしい。この分野では、鏡に映った健肢を幻肢に見せかけて幻肢痛を治療する「鏡療法」が歴史上一定の治療効果を誇っているが、VRならではの没入感、デジタル技術による患者個々が持つ幻肢イメージへ一致させるカスタマイズによって、より早い効果を発揮できることが期待されている。

ヘッドマウントディスプレイを装着した患者は、両手でボールをすくったり、八の字を描いたりするようなタスクをバーチャル空間上で行うことで、幻肢を動かすイメージが可能になる。

赤外線カメラでは脚の動きを捉えることが難しいことから、脚に現れる幻肢痛治療の開発は現段階では行っていないが、需要は多く、開発の拡大に期待がかかる。また、VR療法は脳卒中など脳の障害由来の痛みにも効果があることが分かってきたとのことで、医学療法に大きな変革をもたらしてくれそうだ。

(text: Yuka Shingai)

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スポーツマネジメント用アプリ「TeamHub」で、チームの練習をラクラク管理

HERO X 編集部

サッカー、野球、バスケットボールなど、趣味でスポーツを楽しむ人々も多いだろう。しかしチームスポーツになればなるほど、練習場所や日程の連絡といったコミュニケーションが必要になり、また、スコア付けや日々の練習の出欠管理などのデータ管理も必要だ。これらを簡単にこなせるのが株式会社 Link Sports がリリースした「TeamHub」というアプリ。すでに3万チームが登録している。

様々なチームスポーツを楽しむ人は多く、その代表格がサッカーと野球。国内ではこの2つだけで1500万人近い競技人口がいると言われている。会社で働きながら趣味で楽しむチームから、セミプロレベルのチームまで、あらゆるレベルのチームが存在するが、どのレベルのチームにも必要不可欠なのが練習場所や試合の日時・場所の連絡や、スコア管理といったマネージメント業務。連絡にはメーリングリストやLINEなどを使い、スコア管理はエクセルで表を作って…などなど、いくつものツールを使って管理しているチームも存在していた。そこに目をつけたのが Link Sports。「スポーツを生きている人全てが楽しく出来る環境を創る」ことを目標に掲げた会社が開発したのが「TeamHub」。複数のアプリやソフトを使うことなく、1つのアプリで全てを完結できるようになっている。

ローンチまで、特にしっかりと時間をかけて開発したのが野球。野球の場合、試合のたびに手書きでひとつひとつの打席の情報をスコアブックと呼ばれるものに記入していくのが主流だが、スコアブックを付けるには、記号や書き方などを学ばなくてはならず、初心者が書くには少々ハードルが高い。だが、「TeamHub」を使えば、そんな複雑な記入法を知る必要はない。球の流れを指でシュッとなぞるだけで、感覚的に試合の流れを記録することができるのだ。

野球やサッカーをはじめ、バレーボールにラクロスなど100種目に対応。もちろん、ウィルチェアラグビーや車いすバスケなど、パラスポーツにも対応している。2016年のアプリローンチから登録チーム数は3年で100倍に激増。練習の出欠管理から試合のスコア管理まで、一括でできるのはありがたいかぎり。チームスポーツを楽しむ人にとってなくてはならないアプリへと成長していきそうだ。

(text: HERO X 編集部)

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