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ノーヘルメットでも安全性ばっちり!BMWが描く100年後のバイク

Yuka Shingai

アイウェアを装着した女性が黒く光るボディのバイクにまたがり颯爽と森を駆け抜けている。新製品のポスターにも見えるが、なぜヘルメットをかぶっていないのだろう?と疑問に感じるはず。実はこれ、BMWが次の100年ビジョンとして送り出す未来のコンセプトモデルなのだ。

異例続きの新プロジェクト「Vision Next 100」は、まずそのデザインからかなり大胆だ。

なだらかなカーブを描くボディにタイヤが包み込まれるように、ボディとフォーク(タイヤを挟み込む棒状のパーツ)が一体となった、しなやかで威容あるデザイン。そのためハンドルを切る際には、従来のバイクのようにフォーク部分を旋回させることなく、Flexframeと呼ばれるフレーム全体をねじるようにハンドルを切り、前輪を回転させることになる。パワーユニットも、その電気システムについては情報未公開の部分もあるが、バイクが停止中には格納され、運転中には広がるといった仕組みのようだ。

ライダーの乗り心地の良さや安全性を改善するために、駐車時でも直立でバランスを保てるようにデザインされている上に、交通事故を未然に防ぐため、危機的状況を予見する機能も兼ね備えているという。BMW社いわく「“このバイクは安全だからヘルメットは不要”で、その代わりにライダーは目の前に情報が現れる仮想現実バイザーを装着することになるだろう」と語っている。情報を表示するかどうかは見上げる、下げる動作でコントロールでき、バックミラーの役割を果たすバックカメラからの視点も表示することができる。

バイザーと合わせてライダーが着用することになるのが、気候によって温かくも冷たくもなり適温を保ってくれるスーツ。次のターンの方向を手足の振動で知らせてくれたり、スピードが出ているときは首をしっかり支えるように膨らんだりと、ライダーの安全をあの手この手で守ってくれる。

まだこのアイデアが実現するのは先のこととなりそうだが、これからも私たちの想像力を刺激してくれることは間違いなさそうだ。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/oW0ShDRggts

(text: Yuka Shingai)

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翼のようなフレームでフィールドを駆け抜ける!ホンダの新型車いすレーサー「翔」が誕生

Yuka Shingai

東京オリンピック・パラリンピックまで500日を切り、盛り上がりが過熱するパラスポーツ。企業の積極的な参画・支援が進むなか、ホンダは車輪が3つの陸上競技用車いす「レーサー」の新型モデル『翔(かける)」を4月に販売開始すると発表した。創業当時からモータースポーツへの挑戦を続けてきた同社が車いすレースにどのように向き合い、競技を発展させるのだろうか。

ホンダが車いす陸上競技の公式支援を始めたのは1999年。翌年には陸上競技用車いすが開発品目に追加された。

ホンダR & D 太陽、本田技術研究所、八千代工業の3社で開発・製造した量産型車いすレーサー、「極(きわみ)」を2014年に一般販売開始。それまでの車いすレーサーはアルミパイプを溶接して作ることが一般的だったが、軽量かつ高剛性のカーボンモノコックフレーム構造を世界で初めて採用したのがこの「極」だった。

この度、発表された『翔(かける)』は乗り心地や走行の安定性を向上させた、「極」のアップグレード版で、20年間磨き続けてきた技術の集大成ともいえる存在だ。のようなフレームの形状や、ステアリング周辺パーツがフレーム内部に埋め込まれるなど、『翔(かける)』の名に相応しい軽やかな見た目・仕様が大きな特徴。

今後は車いすレーサーを漕ぐ力の見える化にも取り組むなど、科学的なアプローチでアスリートへのフィードバックを実践する予定。

安心・安全な車いすレーサーを提供するため、非破壊検査をレース現場で実施するなど、ホンダが車いす陸上競技に与えるインパクトは大きい。

パラリンピックでも『翔(かける)』がフィールドを駆け抜ける姿を見られるかもしれない。

(公式サイト・画像引用元:https://racer.honda-sun.co.jp/

(text: Yuka Shingai)

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