福祉 WELFARE

Undesirable Elements「生きづらさを抱える人たちの物語」が、東京・大阪で上演決定

HERO X 編集部

テクノロジーの進化が進んでも、変らずに存在することがある。そのひとつが「生きづらさ」ではないだろうか。難民や戦争孤児、社会的、人種的マイノリティーなど、多岐にわたるテーマを取り上げてきた演劇、「Undesirable Elements」(アンデザイアブル・エレメンツ)シリーズが日本財団の主催で上演される。今回の日本公演でのテーマは「障がい」。同シリーズを手掛けているニューヨークを拠点に活躍する国際的アーティストのピン・チョンが作・演出を手掛けるほか、共作、共同演出を阪本洋三が行なう。


毎回、当事者へのインタビューをもとに演劇作品化しているこのシリーズ。今回も当事者を役者として起用することから企画がはじまった。障がいなどにより、社会での生きづらさを抱えている出演者を公募、約60人の応募の中から選ばれた6人が抱える「生きづらさ」をベースに、それを演劇的に再構築、本人が役者として舞台に立つ。性別違和感、統合失調症、聴覚障がい、視覚障がい、軟骨無形成症など、それぞれが抱える「生きづらさ」は決して軽いものではないが、作・演出のピン・チョンは「障がい者への理解を深めると共に、実際には誰もがいつかは障がいを持つ可能性があることを認識してもらえたら」と語っている。東京、大阪で公演。詳しくは特設サイト https://ue-j.com へ。

〈公演概要〉
Ping Chong’s ドキュメンタリー・シアター
Undesirable Elements 『生きづらさを抱える人たちの物語』


【東京公演】
日時: 2019年1月18日(金)- 20日(日) 全4公演
会場: 東京芸術劇場 シアターイースト
【大阪公演】
日時: 2019年1月26日(土)- 27日(日) 全3公演
会場: グランフロント大阪 北館4階 ナレッジシアター
主催:一般財団法人日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)※東京公演のみ

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com/

(text: HERO X 編集部)

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福祉 WELFARE

グローバルの次はスマートインクルージョン。障がい者の視点が日本を変える

田崎 美穂子

東京2020に向け、「インクルーシブ・スマート化 プロジェクト」が動き出しています。BBT大学講師の竹村和浩氏と、元Google米国副社長村上憲郎氏とで立ち上げた「スマートインクルージョン研究会」。いったいどんな会なのでしょうか。

スマートインクルージョン―あまり聞き慣れないワードですが、「障がい者の視点からIoTやAIを開発することにより、本当の意味での“ソーシャルインクルージョン”を実現する」というコンセプトワードです。障害は本人ではなく、社会にこそ存在する。それをITの力でスマートに取り除き、障がいのある人もincludeされる社会の実現を目指す研究を進めています。

スマートインクルージョン研究会の主な活動は、「障がい者の視点からの技術開発提言」「企業での障がい者雇用の調査提言」「インクルージョンのための政策提言」「プロジェクト実施(移動支援ツール開発等)」。この活動を東京2020に活かしていきたいと思ったきっかけが、かつての「ロンドン オリンピック・パラリンピック」の成功だったそうです。オリンピックよりパラリンピックに重きを置いたPR によって、ロンドン市民だけでなく、全世界の人々の心をつかみ、バリアフリーなどの実現化が急速に進みました。テレビCMにもパラリンピアンが多く出演し、オリンピック選手よりむしろパラリンピック選手にスポンサーが多くついたほど。まさに障がい者の視点に立った方法を採ったことで、オリパラの成功を勝ち取った例と言えます。


2020東京において、中央区の晴海地区に建設予定の「オリパラ選手村」が、日本のAI/IoT技術の集積による「スマート・シティー」「スマート・コミュニティー」のモデルルーム(showcase)として打ち出せることを目標に活動を進めていく、これこそが「インクルーシブ・スマート化 プロジェクト」なのです。さらにその先に、「東京オリパラが終わった後、選手村跡地をIT、ICTの技術で、障がい者の視点からのスマート・ハウス、スマート・コミュニティーのモデル地区にしたい」という壮大な構想もあります。

オリパラ開催こそが、よい日本社会、真のインクルーシブ社会を形成する、そして障害を持つ人々が心から安心して暮せる安全な街・社会を実現させる千載一遇のチャンスとなるのかもしれません。

(text: 田崎 美穂子)

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