福祉 WELFARE

リハビリの世界に革命を起こすー トヨタ「ウェルウォークWW-1000」がもたらす、限りない可能性

田崎 美穂子

「歩けるようになる」と「歩ける」とはまったく異なること―脳卒中などで歩行困難となった患者がリハビリを受けながら「歩けるようになる」だけでなく、ポジティブな「歩く意識」を育んでいくパートナーロボット「ウェルウォーク WW-1000」。2017年秋から、レンタルが開始されます。

トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、脳卒中などによる下肢まひのリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」のレンタルを、2017年秋より開始すると発表しました。トヨタは、1980年代に自動車生産用に導入した産業用ロボットの技術や自動車の開発技術を応用して、人の活動をサポートし、かつ人と共生する「パートナーロボット」の開発を進めてきました。「すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを」というビジョンのもと、「シニアライフの支援」、「医療の支援」、「自立した生活の支援」、「介護の支援」の4本柱を軸に開発に取り組んできました。

そのパートナーロボットである「ウェルウォーク WW-1000」は、運動あるいは歩行困難となった患者のそれぞれの状態に合わせ、難易度の調整や歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論に基づいたさまざまなリハビリテーション支援機能を備えたリハビリテーションロボットです。
簡単に装着でき、タッチパネルで一括操作ができるなど、シンプルな構造と機能。また、患者の病態に合わせて「うまく補助し、補助しすぎない」ようにアシストを調整することができ、さらに患者の身体をしっかりと支えるため、従来のリハビリの「転倒の恐れから歩行練習がうまくできない」という問題もクリアになりました。このため、患者が「自分で歩く」という意識を持ちながら、積極的にリハビリに取り組むようになるという効果も得られたのです。

さまざまな臨床的研究を通じ、かつ患者や医療関係者から得た意見をもとに、「ウェルウォーク WW-1000」は下肢の機能回復に大きな期待ができると判断されました。2017年の秋、医療機関に向けて100台を目標にレンタルが開始されます。

これからますます少子高齢化が進む時代、何らかの障がいを持って暮らす人々は増加していき、それを介護する側もまた高齢化が進んでいきます。現役世代人口は減少の一途をたどり、介護側の負担がさらに増えていくことも確実です。「ウェルウォーク WW-1000」をはじめとする「パートナーロボット」を導入することでこのような状況が改善され、未来に向けて自助生活や移動の自由が広がろうとしています。

(text: 田崎 美穂子)

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介護施設の深夜巡回を自動化。見守りロボット「アイミーマ」とは

HERO X 編集部

人手不足が深刻化する医療や介護の現場に朗報! 電子機器の製造などを手掛ける中小企業8社で構成された「新世代ロボット研究会」は、主に夜間の見守りを得意とする介護見守りロボット「アイミーマ」を発表した。遠隔操作で自律走行し、搭載された赤外線カメラと画像認識システムにより、夜間など暗いところでも人が倒れているなどの異常を検知、施設職員に知らせることが可能だという。

開発を手掛けた「新世代ロボット研究会」は、それぞれの強みを生かし、新しいロボットの開発をしようと集まった中小企業8社で構成された研究会。主に愛知県内の機械系の企業が集結し、研究を重ねている。同研究会が中心となり介護分野を助けるロボットとして開発したのが「アイミーマ」。誰でも簡単に使えて壊れにくい 、“メンテナンスフリーの介護見守りロボット”を目指して研究・開発されたロボットだ。

映像・音声・照度・温度・湿度センサーに加え、夜間充電不要の大容量バッテリーも備わっており、異常を検知した際には、施設職員のパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末に映像が転送されるというシステム。職員は映像を見ながらロボットに内蔵されたマイクとスピーカーを通じて、入居者と遠隔地から会話をすることもできる。現場職員にとって肉体的にも精神的にもとくに負担の大きかった夜間における施設内の巡回が楽になるだけでなく、ロボットが担うことで巡回頻度を増やすこともできるため、見守り体制を強化することにもつながるという。

常設のカメラの場合、24時間監視されているような感覚を覚える人もいるのだが、巡回ロボットの場合、それぞれの生活が見られるのはロボットが近づいて来た時にだけで済むため、プライバシーにも十分に配慮することが可能となる。また、あえて人型ロボットにしないことで入居者に威圧感を与えることなく見守りを行うことを実現した。事前に指示された走行経路に沿って定期的に施設内を巡回するが、万が一、道を間違えても天井に表示されたマークを認識して自分の現在地を把握し、既定のルートにロボット自身が自動で戻っていく機能も備わっている。

「アイミーマ」のようなロボットが仕事の一部を担うことで、職員の負担は軽減される。こうした施設内巡回見守りロボットは、医療機関や介護施設の入居者、また、そんな人たちを支える家族にとっても、安心・安全とサービスの向上に繋がる。最近リリースの相次ぐ介護分野のお助けロボット。人間とロボットの協業のモデルケースとしても、今後は注目を集めるだろう。

[TOP動画引用元]https://youtu.be/icuf03PxF-k

(text: HERO X 編集部)

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