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VR 技術の台頭が医療の世界の常識を変える

Yuka Shingai

私たちが現在、身近に体験できるVRといえばゲームやアトラクションなどエンターテインメント関連が思い浮かぶが、医師のトレーニング、手術のシミュレーション、疼痛や不安の軽減など医療向けVRの導入が進んでいる。医療レベルの向上はもちろんのこと、高齢化社会や医師不足といった切実な社会問題に応える2つの事例をご紹介しよう。

VRで辛いリハビリをエンタメに。
医学会の風雲児が仕掛ける
「mediVR」の挑戦【the innovator】

元記事URL:http://hero-x.jp/article/3947/

株式会社mediVRは脳梗塞患者やパーキンソン病患者、高齢者など歩行機能に何らかの問題を抱えている患者向けに、上半身の体幹バランスを鍛えるためのVRプログラムを開発。
代表取締役の原正彦氏いわく、これまで現場で実現するのが難しかった定量指示・定量評価が可能になったこと、運動機能と認知機能を同時に訓練できるデュアルタスク型のリハビリが行えることが当該プログラムの特徴だ。
循環器医としてキャリアを歩んでいた原氏がアカデミアからビジネスの世界に舵を切った背景には、「優秀な医師が評価され、成果を還元し、年功序列の現状を変えたい」という想いがある。そんな原氏の志に強く心を揺さぶられる。

名医の手技とチームプレイをすべて再現!
高精度360°VRで医療研修が進化する

元記事URL:http://hero-x.jp/article/6861/

高精度360°VRのコンテンツ制作やVRを用いたソリューション・サービスを事業展開する株式会社ジョリーグッドは2018年以降、医療研修VRの制作を手掛けている。手術を360°カメラで撮影し、医師の視点でVR化することで大勢が同時に、また、離れた場所にいても研修を受けることができ、人手不足の現場においても名医から新人、若手への技術継承を絶やさないためのものだ。
5Gの通信サービス開始によって、VR研修が医療研修のスタンダードになっていく可能性も大きく、今後の飛躍も楽しみだ。

AIやARとの組み合わせ次第で、益々医療の世界に新しい風を吹かせそうなVR技術。これまでの常識や固定概念をどんどん覆してほしい。

(text: Yuka Shingai)

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普及率アップの兆しあり? ロボット掃除機が豊かにする未来

Yuka Shingai

2018年度の国内市場規模は1,230万台、2023年予測が1,710万台と、まだ十分とは言い難いロボット掃除機の普及率。リモートワークが進み、在宅の時間が増えたことにより、家事との向き合い方が人々の大きな関心ごとにもなっている今、ロボット家電はどこまで私たちの生活を豊かにしてくれるのだろうか。

AI清掃ロボット「Whiz」の
生活インフラ業種への支援がスタート

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=MgjgvUlqaig&feature=emb_logo

*ソフトバンクロボティクス提供

人型ロボットPepperに代表されるロボット事業で知られるソフトバンクロボティクスは、医療施設や介護施設をはじめとする生活インフラ6業種に対してAI清掃ロボット「Whiz」の無償提供を開始した。
「Whiz」はアメリカ・カリフォルニア州のブレインコーポレーション社の自動運転技術搭載によって、清掃ルートを学習し、人や障害物を避けて走行可能な乾式バキュームクリーナー。
これまでもオフィスや商業施設、ホテル等に導入され、人手不足を解消するだけでなく、目視では確認しづらい「隠れダスト(※)」を一掃する効果にも定評がある。「Whiz」とあわせて、ATP検査機・粒子量検査機による施設清潔度診断を行い、リスクを抱えながらも業務に臨む事業者たちを支援する方向を示している。

※「隠れダスト」:
ちりや花粉、カビ、細菌など、床に存在し、空気中に舞い上がりやすいが、肉眼では見えにくいため、人の手では取り残してしまうごみの総称

段差を乗り越え、障害物を避ける!
進化するRULOの最新機種が登場

パナソニックのロボット掃除機RULO(ルーロ)シリーズから最新機種MC-RSF1000が登場した。手動でなくてもきちんと掃除してくれるのか、ゴミの取り残しはないか、などこれまでユーザーが潜在的に抱いていた不安や疑問を解消すべく、今回RULOには千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)のfuRoTechnologyが搭載された。

空間認識技術「レーザーSLAM」を搭載することで、360゜全方位の間取りや床にあるもの、動くものなど部屋環境を認識してマッピングと自己位置の推定を同時に行う効率のよい走行が可能となった。これまでロボット掃除機の悩みの種でもあった、段差やラグなどの障害物を3Dセンサーで検知し、自動的に本体を持ち上げる機能や、本体を持ち運ぶことなく、掃除する場所まで人についてきてくれるotomo機能など、ユーザビリティやUXに対するきめ細やかな配慮も感じられる。

「Google アシスタント」を搭載したスマートスピーカーとの連携で音声操作も可能になり、スマートホーム計画を進めるのもおうち時間の楽しみとなるかもしれない。

家事が効率化された先に、どのような変化が待ち受けているか。ロボット家電の行く先を追い続けてみたい。

*「Whiz」「AI清掃」「Pepper」の名称、ロゴはソフトバンクロボティクスの登録商標です。

(text: Yuka Shingai)

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