福祉 WELFARE

煙の無い町目指す!?豊中市、アプリで市民の禁煙サポート

HERO X 編集部

“喫煙は本人だけでなく周りにも健康被害を及ぼすもの”そんなことは分かっていてもやめられないのがタバコ。日用品の運用基盤の情報を集める株式会社プラネットが喫煙者804人に実施したアンケートでは、「禁煙する予定」もしくは「いつかは禁煙する予定だ」と答えた人は全体の46.1%と約半数近くに達していた。止める気持ちはあったとしても、それを貫くのはなかなか難しいものなのだが、行政として禁煙サポートの取り組みをはじめたところが出てきた。

市民に向けて禁煙サポートの無料提供をはじめたのは大阪府豊中市。少子高齢化が進む中、地方自治体にとって医療費抑制は悩みの種となっている。市民の健康が保たれれば医療機関にかかる回数も減るため、医療費を抑えることができるというのはもはや医療費削減の王道の考え方となっている。各自治体では体操やエクササイズの講座を開くなど、運動面からのアプローチをするところも多い。今回、豊中市が考えたのは禁煙サポート。健康寿命の延伸を目的に民間の禁煙支援アプリなどを使ったサポートサービスをはじめている。

その名も「とよなか卒煙プロジェクト」。アプリによる治療支援を試みる株式会社キュア・アップが開発したスマートフォン用禁煙支援アプリ「ascure(アスキュア)卒煙プログラム」を採用。オンライン指導のほか、一般用医薬品の自宅配送を組み合わせ、6か月間の禁煙支援プログラムを無料で受けることができるというもの。プログラム終了から原則6か月後に、専用キットで禁煙達成状況の確認を行うことにしているという。市内在住以外でも、在勤者は3000円でプログラムを受けることができる。申し込み方法など詳しい概要は同市HP へ。

(text: HERO X 編集部)

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地下に潜む日本の力はいかに。世界も注目の東京メトロ【2020東京を支える企業】

宮本さおり

日本が誇るもののひとつ、鉄道。最近、ネット上では正確に、安全に動く日本の鉄道に舌を巻く外国人観光客のコメントが話題になった。大都会東京の鉄道を地下で支えるのが東京メトロ。東京2020オリパラでは、会場を繋ぐ交通網としての役割に期待がかかる。メトロはどんなことをするのか。東京の地下で繰り広げられている構想を探る。

オリパラ会場への足となる東京メトロでは今、大規模な工事が進んでいる。主要駅で進めているのはホームドアの設置。2020年度末には全体の83%にあたる148駅で整備が完了する予定だ。また、バリアフリー化の一環として進める「エレベーター1ルート計画」は、予定では2018年度末までに全ての駅で整備を完了、地上へ出るためのバリアフリー化が一層進む見込みだ。

聴覚障がい者も気兼ねなく使える

使い方は簡単。まずはアプリをダウンロード

いくつもの路線が入り組む東京の地下鉄駅では、目的地の近くの出口が分からずに、地下通路で迷うこともある。そんな不便を解消してくれるアイテムの実証実験が今年はじめ、表参道駅周辺で実施された。「かざして駅案内」は、事前に東京メトロのアプリをダウンロード、目的地を設定して駅構内にある「i」マークにスマホをかざせば、目的地の最寄りの出口をアプリ上で表示してくれるというものだ。これならば、人に道を聞くことに気兼ねしていた聴覚障がい者も目的の出口にスムーズに出られそうだ。NTTと共同で開発に取り組んでいる。

これだけでは終わらないのが日本のすごさ。こうしたハード面の強化と同時に急ピッチで進めているのが、「人」の力の強化。

「介助士」研修を社内で実施

専門家を招いて資格取得講座を開講

車いすユーザーや視覚障がい者などが電車に乗るためには、いくつもの介助が必要になる。例えば、車いすの場合、電車とホームの間に溝があるため、それを埋める取り外し式のスロープを設置といった支援がいるのだ。また、目の不自由な人の場合は駅により、改札までサポートが必要な場合もある。こうしたニーズに的確に応えるために、介助をスムーズに行うための資格である「介助士」の資格を積極的に取得させようと社内でも研修をはじめたのだ。2017年度中を目途に全駅社員がこの資格を取得の見込み。おもてなし力に磨きがかかる。加えて、効率的に移動の補助ができるようにと、目の不自由な乗降者が多く利用する高田馬場駅など7駅にハンズフリー型インカムも導入した。東京メトロ担当者は「高田馬場駅近くには、点字図書館等の施設があり、目の不自由なお客さまのご利用が多くあります。ハンズフリーインカムを利用することで、情報共有の迅速化、安全確保上の連携強化が図られるようになりました。」と話している。

ここまで徹底したサービスを目指す地下鉄は世界でもまれ。東京2020オリパラでは、世界のあらゆる人々に安全で安心、そして快適な移動を提供することになるだろう。

(text: 宮本さおり)

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