テクノロジー TECHNOLOGY

日本製のアシストしすぎないロボット「アクティブギプス」とは?

HERO X 編集部

パワフルに電動で動きを支えるアシスト系のロボットたちの開発が進む中、あえて、残存機能に着目し、動力アシストをしすぎないことでリハビリ要素も取り入れようと開発が進められる装着型支援ロボットがある。臨床実験でもそのリハビリ効果が実証されつつあるようだが、一体どのようなものなのか。

重たい荷物を軽々と持ち上げられるアシストスーツや、弱った膝をアシストする歩行アシストロボットなど、近年はアシスト系ロボの開発が目覚ましい。そんななか、アシストしすぎないロボットの開発に乗り出したチームがある。新潟県の株式会社ルミナスジャパンは三重大学工学部のメカトロニクス研究室と共同で、あえてアシストしすぎない上腕動作支援ロボットの開発に乗り出した。

肘を伸ばす筋肉にあたる上腕三頭筋が麻痺すると、腕の曲げ伸ばしができなくなるのだが、この上肢機能障がいとなった部分についてアシストする役割をしてくれるのが開発を進めているロボット「アクティブギプス」。近年開発の進むアシスト系のロボはパワーアシストタイプの物が主流だが、残存機能がある患者の場合、アシストのし過ぎは他の機能の低下につながることがある。

例えば、杖をつけば歩けるのに、歩くのが遅いのだからと電動車いすに乗ってしまえば、歩く機能は低下して、本当に歩けなくなってしまうということがある。これではアシストのしすぎによる弊害もあるわけだ。一方でアクティブギプスは過度なアシストはせず、装着者本人の残存している肩付近の筋肉を有効に使い、肘折れを防止、体重を手先に伝えることで車いすへ移動する際のプッシュアップができたり、自分でドアを開けるといった日常動作が可能になる。一度の充電で8時間ほどの稼働が可能。車イスを自分で操縦することもできるようだ。厚労省の認可に向けて試作を続けているが、3Dプリンターで作り出すパーツでは、強度の面とコストの面で許認可に耐えうるものではなかったため、神奈川県のプロとラブズ合同会社と提携、同社が持つ射出成形技術を使い新たな試作づくりに乗り出すようだ。まだ販売には至っていないが、実現すれば事故などで上肢機能障がいを負ってしまった人たちが手軽に日常を取りもどせる補助具として、注目を浴びそうだ。

[TOP画像引用元:http://www.robot.mach.mie-u.ac.jp/html/research.html

(text: HERO X 編集部)

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キレてる?キレてない?集中力が可視化されるデバイスが登場

HERO X 編集部

自分の集中力が切れたかどうかを知るのはなかなか難しいだろう。疲れたなぁと思った時にはすでに集中力が切れた後のことが多いのだが、本人がまだ自覚しないうちに集中力が切れているかどうかを教えてくれるデバイスがあるようだ。

イギリスのケンブリッジ大学の卒業生2人により開発されたのが動画に紹介されている「FOCI (フォーカイ)」。このデバイスは、小さな器具をウエストに着けるだけであなたの精神状態を測定してくれるというのだ。認知生体計測学を用いた手法で気分を測定、スマホと連動することで、精神状態を可視化してくれる。注意散漫や疲れ、落ち着き、集中、フロー、ストレスといった6つの状態を色分けして見せてくれる。

スマホ画面に映る丸みを帯びたものをオーブと呼び、このオーブの色が精神状態に合わせて変化する。ウエストにつけた計測器が測定しているのは利用者の呼吸だ。人間は精神状態が変化すると呼吸数や呼吸の深さに変化が現れるが、測定器がそのわずかな乱れをキャッチし6つの状態に分類、可視化する。

フロー状態とは、他のことが目に入らないくらい完全に集中していることを指す心理学用語だが、「FOCI」は装着者がフロー状態から離れそうになるとバイブレーションを起して知らせてくれる。AIマインドコーチを搭載しているため、集中力を保つためのアドバイスをリアルタイムでおこなってくれるらしい。

また、集中力が低下しそうなときには、認知機能の低下を抑えるためのトレーニング方法などをアプリを通して教えてくれる。何時にどういった精神状態にあったかの記録も残してくれるため、自分が集中して仕事ができている時間帯の癖などを発見することも可能だろう。

集中力が切れている時に良いアイデアは浮かばない。自分の精神状態を可視化して、効率的な仕事や勉強に繋げられるとしたら、これは買いなのかもしれない。

(text: HERO X 編集部)

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