プロダクト PRODUCT

スーツケースにも収納可能!史上最少&最軽量の電動車いす「eFOLDi Lite」

Yuka Shingai

機動力、スピード、ロック機能による安全性、介助者なしで動き回れる自律性など電動車いすがユーザーにもたらすメリットは数多い。一方で価格や大きさ、バッテリーの持続時間など電動車いすならではのデメリットはユーザー目線のみならず、作り手にとっても最優先で解決したい課題だろう。現在、市場に出回っている電動車いすの中で、最小、最軽量を謳う製品がクラウドファンディングサイト Kickstarer に登場している。

British Invention of the Year 2016年度の受賞者でもある「eFOLDi Lite」は、一見するとまるで子ども用の三輪車のようにコンパクトだが、れっきとした電動車いす。

新種のマグネシウム合金の使用により、フレーム部分は頑丈ながらも15㎏程度と軽量。これは初期モデルよりも30%も軽く、折りたたむとスーツケースに収納できるサイズだ。最大積載量は120㎏、最大時速6㎞のスピードが出せるにも関わらず、1回の充電で22㎞もの走行でき、見た目のスマートさに反してそのスペックは頼もしい限りである。

モビリティの開発やデザインを行う SunTech UK の創始者で、eFOLDi の共同開発者であるSumi Wang 氏によると、eFOLDiは彼の父親 Jianmin Wang 氏が起案したものだという。

中国雑技団のテクニカルディレクターでもあった父・Jianmin 氏はクリエイティビティに溢れた人物で、身体の不自由を抱えた際に、周りに不平不満を漏らすのではなく、自身に自由とプライド、そして楽しさを与えてくれる移動手段が必要だと考えついた。それがこの eFOLDi だ。

その後、Sumi 氏自身も2013年に病に伏し、2年間の通院と手術を余儀なくされたが、それ以前に培ったエンジニアリングやプロジェクトマネジメントの経験を活かし、現在は eFOLDi の開発に携わっている。

現在チャンレンジ中の Kickstarer 終了後は、2020年の3月にも本製品の英国内配送を予定しているとのこと。日本を含む諸外国にも追加送料1万7千円程度で対応できる見込みで、来年の今頃は街中で画期的なモビリティを見かけるかもしれない。

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

プロダクト PRODUCT

科学とファッションの結合。アヌーク・ウィプレチェットが手掛ける、鼓動を纏った服とは?

長谷川茂雄

オランダ人デザイナーのアヌーク・ウィプレチェットは、デジタル技術とファッションという異なる要素を結びつけることで、新たな表現を生み出し続けている。それは前例のない“ロボティック・ファッション”として多くの人々を魅了して止まない。例えば3Dプリンターで作られた“スパイダードレス”は、着用者のパーソナルスペースに近づいた人を攻撃するように、クモの足が飛び出す。そんなユニークなファッションは、「人々が自分の感情に嘘をつかなくてもよい世界」に繋がるという。そして彼女が次にデザインしたのは、心臓の鼓動に合わせて光が点滅するドレス。その気になる意図とは?

オランダで生まれ育ったアヌーク・ウィプレチェットは、ニューヨークやカリフォルニアのシリコンバレーで、若い頃からクリエイターとしての資質を高めてきた。14歳の頃にはファッションの世界に魅せられ、やがてロボット工学に出会うと、のめり込んだという。

「ロボットは、基本原理として脳と心臓の鼓動(に相当する構造)を持っている。だから生地や衣服にも、そういったものがあってもいいのではないか?」と思うようになった。

2000年代の半ばに、彼女は、オープンソースコンピューターハードウェアとソフトウェアの会社である「アルディーノ」の存在を知る。北イタリアの街、イヴレーアのバーから名付けられたという同社は、開発したキットを使い、新しいデジタル機器を作るコミュニティでもあった。

彼女は、そこに身を置きながら興味深い実験の一つとして、3Dプリンターで「スパイダードレス」を作り上げた。ロボティックの技術が随所に取り入れられたこの画期的な衣服は、クモの足が襟になっている。そして、着用者のパーソナルスペースに誰かが踏み込み過ぎると、クモの足が飛び出すという仕組みだ。そのドレスを世界各国で発表し、彼女は面白い発見をしたという。

「オランダの人々は、とても素早く人の近くに来るが、アメリカ人は、人と少し距離を保って立つことがわかった。彼らは他人を尊敬する観念が強く、紳士的なのだ」

そんな活動を続けるウィプレチェットが次に手がけたのは、クリスタルメーカー「スワロフスキー」と共同開発したドレスだ。内蔵されたセンサーにより、着用者の心臓の鼓動に合わせて光が点滅する。

例えば、片思いをしている相手と話をするときのように、緊張する場面でそれを着用していたら……? そう、このドレスを纏うことで、緊張や恐怖、興奮といった内面の高まりを周囲にさらけ出すこととなる。

「自分の鼓動を身に纏うというのは、とても純粋なことです。自分の感情を可視化することで、気まずい場面に直面することもあるかもしれませんが、それはそれで興味深いのです」

どうやらデジタル技術とファッションの結合は、その相乗効果で、これまでにない表現と新しい気づきをもたらすようだ。

ウィプレチェットの挑戦は、まだ始まったばかり。“ロボティック・ファッション”の未来に期待せずにはいられない。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/vBjmzvd84xs

(text: 長谷川茂雄)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー