テクノロジー TECHNOLOGY

VR/AR内の物体に触れる!? 触覚フィードバック・デバイス「DextrES」

Yuka Shingai

エンターテインメントやショッピング、レジャーなど、私たちの「体験」は、VR/ARの進歩でより豊かになってきている。昨年、大きく話題となったVTuberもVRの技術を利用したコンテンツだ。2019年もまだまだ盛り上がりを見せそうだが、今回紹介する「DextrES」はVR/ARコンテンツ体験のポテンシャルを更に引き上げてくれるデバイスだ。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)とチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)が発表した「DextrES」はVR/AR内の仮想オブジェクトを掴んだり握ったりした感触を再現する、触覚フィードバック・デバイス。本当に物体をつかんだかのような感覚を味わうことができるフィードバックの仕組みは、手の甲から指先まで取り付けられている金属板にある。

まず、ユーザがVR/AR内の物体を「つかんだ」と認識すると、帯電による静電引力が発生し、金属板が固定される。これにより手の甲側の動きが制御されると、各指に対して20N(ニュートン)(約2kg)までの負荷がかけられるので、物体の大きさが推測できるというわけだ。併せて、指先に取り付けられたアクチュエータが指先への振動のフィードバックを生成し、本当に物体をつかんだかのような錯覚を引き起こしてくれる。

「既存のVRグローブのように、ゴツい外骨格もポンプも、大きなケーブルも必要ない、軽量なデバイスが作りたかったんだ」とEPFLのHerbert Shea教授が語るように、薄さもたった2㎜、重量約8gと他に類を見ないコンパクト具合もの特徴のひとつ。

また、導電性の繊維を用いて、指以外の体のパーツでも使えるデバイスも次のステップとして検討している様子が窺える。VR/ARとリアルは、これから一段と距離が縮まって行きそうだ。

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com/

(text: Yuka Shingai)

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実は日本の発明品!親子をつなぐ母子健康手帳のデータ化が進行中

Yuka Shingai

子育て家庭にとって、母子健康手帳は健康管理に欠かせない必需品だ。実は日本独自に発展したアイテムで、近年、諸外国でも普及が進んでいるが、この母子手帳をデータ化しようという流れが進んでいるのをご存知だろうか。

母子手帳は、妊娠中には母体と胎児の健康状態をチェックし、産後は健康診断や予防接種など成長記録を残していくもの。子連れでの外出時の必須アイテムでもあり、成人後も幼少期の基礎疾患やワクチン接種の履歴を確認する際にも使えるので、その付き合いは非常に長くなるが、経年で劣化していくことは避けられず、災害など緊急時に紛失してしまうケースも少なくはない。

また、一般的に母子手帳でサポートできるのは6歳(就学前)の成長まで。以降の成長と合わせて一元管理できるツールの需要、日本語を母国語としない家族が増え多言語対応が求められること、蓄積したデータの共有、活用に対するニーズなど多様な背景が母子手帳のデータ化を後押ししている。

2014年に設立された母子健康手帳データ化推進協議会には医療、看護、保育、教育、情報通信など様々な分野の研究者や専門家が集い、母子健康手帳データの活用方法が検討されているほか、すでに一部の自治体では、スマートフォンやタブレットで閲覧できる電子母子手帳の導入も始まっている。

特定非営利法人ひまわりの会が主催する母子健康手帳アプリ。北海道から沖縄まで数々の自治体で導入されている。

画像引用元:https://www.mchh.jp/login

株式会社エムティーアイが運営する「母子手帳アプリ 母子モ」。英語、中国語からタガログ語やインドネシア語など幅広い言語対応も特徴。

アプリで管理しているデータのエクスポートやバックアップ、セキュリティ保護、アプリそのもののアップデートやメンテナンスなど、IT化を考える上で次々と課題は浮上しそうだが、今後親子間、夫婦間のコミュニケーションツールとして発展する可能性やビッグデータ化によるメリットは大きく見込めそうだ。紙or電子、ではなく、その時々で選択できる自由にも期待したい。

参考URL: https://jeso.or.jp/councils/index.php

(text: Yuka Shingai)

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