福祉 WELFARE

「障がいは人ではなく、社会の側にある」。LITALICOが目指す「障がいのない社会」

朝倉奈緒

「障がいのない社会をつくる」をビジョンに掲げ、働くことが困難な方への就労支援サービス、学習や友達との関わりが苦手な子ども向けの学習塾、またIT×ものづくり教室や、発達障がいのある子どもの家族のためのポータルサイトなど、特徴的な事業を展開する株式会社LITALICO(リタリコ)。

1985年生まれのLITALICO代表取締役社長・長谷川敦弥さんは、新卒で同社に入社後、24歳のときに現在のポジションに大抜擢された。長谷川さんが社長に就任後、LITALICOは急成長を遂げている。彼は著書『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』で「自分はADHDの傾向があった」と述べており、学校では授業中じっとしていられずクラスでも浮いてしまい、友達も少なかった。しかし大学時代のバイト先のオーナー夫婦が長谷川さんの個性を尊重し、認めてくれたことにより、才覚を発揮していくことができたと明かしている。

そんな長谷川さんがわずか2年で舵取りを任されたLITALICOの事業はどのようなものか。就労支援サービス「LITALICOワークス」は、一人ひとりを理解し、その人にあった目標やペースで、就職までの道のりをサポート。精神障がいなどの障がいがあり、働くことが困難だった年間900名以上の「自分らしく働く」を実現している。

また、幼児から高校生までを対象とし、彼らが社会で自分らしく生きるためのソーシャルスキルを“そのひとり”に合わせた方法で学ぶことができる「LITAICOジュニア」や、デジタルネイティブと言われる子どもたちの才能や創造性を引き出すIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」のほか、ネット事業では発達が気になる子どもを持つ保護者向けのポータルサイト「LITALICO発達ナビ」を運営。技術を活用した取り組みとして、子どもがゲーム感覚で日常生活におけるタスクをクリアすることをサポートする、オリジナルのアプリ開発も行う。

「障がいは人ではなく、社会の側にある。」

HERO Xでも根源となっているこの考えを共有するLITALICO。今後もボーダレスな社会を目指すパートナーとして、彼らの活動をフォローしていきたい。


長谷川敦弥

1985年岐阜県多治見市笠原町に生まれる。2008年名古屋大学理学部卒。2008年5月、
株式会社LITALICOに新卒として入社し、2009年8月に代表取締役社長に就任。

株式会社 LITALICO
http://litalico.co.jp

(text: 朝倉奈緒)

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福祉 WELFARE

リハビリの世界に革命を起こすー トヨタ「ウェルウォークWW-1000」がもたらす、限りない可能性

田崎 美穂子

「歩けるようになる」と「歩ける」とはまったく異なること―脳卒中などで歩行困難となった患者がリハビリを受けながら「歩けるようになる」だけでなく、ポジティブな「歩く意識」を育んでいくパートナーロボット「ウェルウォーク WW-1000」。2017年秋から、レンタルが開始されます。

トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、脳卒中などによる下肢まひのリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」のレンタルを、2017年秋より開始すると発表しました。トヨタは、1980年代に自動車生産用に導入した産業用ロボットの技術や自動車の開発技術を応用して、人の活動をサポートし、かつ人と共生する「パートナーロボット」の開発を進めてきました。「すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを」というビジョンのもと、「シニアライフの支援」、「医療の支援」、「自立した生活の支援」、「介護の支援」の4本柱を軸に開発に取り組んできました。

そのパートナーロボットである「ウェルウォーク WW-1000」は、運動あるいは歩行困難となった患者のそれぞれの状態に合わせ、難易度の調整や歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論に基づいたさまざまなリハビリテーション支援機能を備えたリハビリテーションロボットです。
簡単に装着でき、タッチパネルで一括操作ができるなど、シンプルな構造と機能。また、患者の病態に合わせて「うまく補助し、補助しすぎない」ようにアシストを調整することができ、さらに患者の身体をしっかりと支えるため、従来のリハビリの「転倒の恐れから歩行練習がうまくできない」という問題もクリアになりました。このため、患者が「自分で歩く」という意識を持ちながら、積極的にリハビリに取り組むようになるという効果も得られたのです。

さまざまな臨床的研究を通じ、かつ患者や医療関係者から得た意見をもとに、「ウェルウォーク WW-1000」は下肢の機能回復に大きな期待ができると判断されました。2017年の秋、医療機関に向けて100台を目標にレンタルが開始されます。

これからますます少子高齢化が進む時代、何らかの障がいを持って暮らす人々は増加していき、それを介護する側もまた高齢化が進んでいきます。現役世代人口は減少の一途をたどり、介護側の負担がさらに増えていくことも確実です。「ウェルウォーク WW-1000」をはじめとする「パートナーロボット」を導入することでこのような状況が改善され、未来に向けて自助生活や移動の自由が広がろうとしています。

(text: 田崎 美穂子)

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