HERO Xでは車いす関連の記事をこれまでも数々紹介してきたが、デザイン、ユーザビリティ、機能性、どこを取っても斬新でテクノロジーと技術の最先端をいくものばかりだ。今回紹介する「Action Trackchair」も例にもれず、車いすに対する先入観や常識、固定観念を大きく覆してくれる、かなりエッジの効いた代物だ。
30年以上モータースポーツビジネスに従事していたTim Swenson氏は2008年にどんな地形にも対応する車いすの開発をスタート。自身の家族やハンティング、ハイキング、釣りやビーチに行くことが好きな知人・友人を想定して作った「Action Trackchair」はそのワイルドな見た目から、車いすだとは想像がつかないだろう。迷彩柄を配したシート、車輪ではなくキャタピラで走る様子は無骨なカッコよさがある。
座席の角度を自在に変えられる “Tilt on the Fly” という独自システムと立ったまま運転できる “THE ACTION TRACKSTANDER” という機能は特許も取得済み。雪道やビーチ、海水でなければ水に入っていくことだってできるアクティブ度合いはほかに類を見ないレベルだ。
5タイプのモデル、サイズは14種類、カラー展開は18色、30以上のオプションでカスタマイズすれば自分好みのオリジナルモデルを楽しむこともできる。「Action Trackchair」は車いすの領域に留まることなく、ライフスタイルをより鮮やかに彩ってくれそうだ。
[TOP動画引用元:https://www.youtube.com/watch?v=67Fc1g2lSZQ]





創業当初からモータースポーツに関わりの深いホンダが軽量かつ高剛性のカーボンモノコックフレーム構造を世界で初めて採用して、2014年に一般販売を開始した車いすレーサー「極(きわみ)」のアップグレード版『翔(かける)』を2019年4月に販売スタート。羽のようなフレームの形状は『翔』の名前が顕す通り、トラックを軽やかに駆け抜ける姿を想起させる。
マシンの技術を発揮するのは他でもない、選手の存在だ。HERO Xでは、北京、ロンドン、リオデジャネイロと3度のパラ出場記録を誇り、現役選手としてだけではなく、車いすレーサー実業団の監督の顔もあわせ持つ松永仁志氏にインタビューを試みた。ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会で金メダルに輝き、東京2020にも内定した佐藤友祈選手も同チームの所属選手である。選手のキャリアパス、ライフプランも踏まえた活動方針については、パラスポーツに限定しない、スポーツ全体の理想の姿を考えさせられる。ぜひご一読いただきたい。
