医療 MEDICAL

内緒にしたい、あの病気の治療。ロボットが受付してくれる「AIロボ浜松院」

HERO X 編集部

人には言いたくないが、治療をしたいという病が存在する。その代表格とも言えるのが薄毛の治療ではないだろうか。そんな患者心理を受け止めてくれる病院が都内にオープンした。発毛専門のクリニックAGAスキンクリニックが展開を始めたのはロボットが受付をしてくれるクリニック。受付に着くとシャープ社が開発したコミュニケーションロボットの「RoBoHoN(ロボホン)」がお出迎え。医師との診察まで人と会うことなく受診をすることが可能だ。

同院はロボットが受付をすることで話題を呼んでいる「変なホテル東京・赤坂・浜松町」に併設する形で開院。AGAスキンクリニックは全国に35院を展開する薄毛治療専門のクリニックだが、ロボットが受付をするクリニックは初めての試みだ。内装も近未来的な空間をイメージ。待合室には赤色LEDを使ったヘルメット型の薄毛治療機器「ヘアビーム」を設置、自由に使えるため、待ち時間の間さえも治療を進めることができる。

同院によれば、近年は海外から通院する患者も増えており、医療ツーリズムの急増を感じているという。赤坂は外国人観光客の宿泊先としての人気も高いため、ホテルと併設することで診察と観光の両立を狙う。「AGA」とは男性型脱毛症のAndrogenetic Alopecia の略。思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症のこと。AGAスキンクリニックでは完全予約制でこの「AGA」による薄毛の治療を行っている。男性だけでなく女性でも薄毛に悩む人は多く、医師との問診や治療は完全個室のカウンセリングルームで行われるため、プライバシーも守られる。内緒で通いたい治療の場合、病院の受付でいろいろと聞かれるのは嫌なもの。できれば、誰にも会わずに治療をしたいと思う患者にとってはまさにうってつけのクリニックと言えそうだ。

(text: HERO X 編集部)

(photo: AGA公式ページより)

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医療 MEDICAL

不足予測100%超え自治体発生中!人口呼吸器不足の歯止めは宇宙ステーション生まれ⁉︎

Yuka Shingai

新型コロナウィルスの感染拡大において、マスクや消毒用アルコールと並んで不足が叫ばれる人工呼吸器。米国の医学誌The New England Journal of Medicineでも数ある医薬品不足の中で、人工呼吸器の問題が最も深刻だという指摘が上がっている。 前回記事に続き、高い技術力を活かしてこの非常事態に立ち向かおうとする2つのプロジェクトをご紹介しよう。

前回記事はこちら:http://hero-x.jp/article/8983/

テスラのモデル3のパーツが
人工呼吸器になる?

世界有数のビリオネア、イーロン・マスク率いる自動車メーカー、テスラがニューヨーク市長ビル・デブラシオ氏からの依頼を受け、人工呼吸器の製造をスタートした。
その直前に「すぐに使用するという条件で、テスラの配送対象地域であれば本体も送料も無料で提供します」とイーロン本人のツイートが話題になったものの、コロナウィルスの重症患者には使えないという医療関係者からの指摘があり、批判の対象ともなっていた。

その数日後、アイルランドに拠点を置く医療機器メーカー、Medtronic社がテスラ、およびイーロンの別会社Space Xと共同で人工呼吸器を開発する旨を公式にアナウンス、製造にあたって昨年日本でも販売開始した電気自動車、モデル3のパーツを使用するとのことだ。
テスラが公開した動画によると、テーブルの上に広げるタイプと、従来から病院などでよく見られる箱型タイプの2種類のプロトタイプを生産済み。

サスペンション振動の吸収に使われる蓄圧器をガス混合器(空気と酸素を混合する部分)として使用しており、液晶や装置はモデル3の車載インフォテイメントシステムそのまま。車であれば地図やゲームを表示するところが、人工呼吸器では患者のバイタルを示す部分となる。

デバイスの完成後も、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を受けないことには本格的な実用スタートを切ることができないが、医療機器不足に応えるべく代替品としての使用を認められる可能性もある。本デバイスが緊急事態を一変させる救世主に成り得るか、動向を見守りたい。

3Dプリンタで人工呼吸器を作ろう!
「#covidventilator」プロジェクト

日本国内では3Dプリンタによる人工呼吸器を製作するプロジェクトが動いている。
国立病院機構新潟病院の石北直之医師は、2017年に国際宇宙ステーション内の3Dプリンタでバネを内蔵し、電力がなくても空気圧で動く人工呼吸器を開発した。当初は宇宙空間での利用を念頭に置いていたが、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、広島大学の木阪智彦准教授と「COVIDVENTILATOR」プロジェクトを発足、モデルデータの無償配布をスタートさせた。

当プロジェクトでは3Dプリンタで出力した人工呼吸器を医療機器として認証させる手続きや、クラウドファンディングサイトでの資金提供と合わせて、人工呼吸器を印刷してくれる3DプリンタユーザーをTwitter上で募っている。
ハッシュタグ「#covidventilator」とともに、作成した人工呼吸器の画像をアップすると石北医師がチェックし、実用に見合うものに対しては本格的な作成協力を呼び掛けるという内容だ。

製造業専門ではないが、最先端のテクノロジーを誇る2つのプロジェクト。世界中を巻き込んでいく展開に期待したい。

(text: Yuka Shingai)

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