スポーツ SPORTS

いまこそ東京2020アスリートを応援しよう!

Yuka Shingai

第一線で活躍するパラアスリートたちに共通する特長として挙げられるものに、身体能力の高さ、タフなメンタリティ、優れた指導者…などに加えて、「自分」を強く持っているというのがあるかもしれない。 狭く険しい勝者への道を歩む上で、どのように「自分」と向き合い、「自分」を保っているか、人となりを知りたくなるインタビューをピックアップしてみた。

WOWOWスタッフが、
「WHO I AM」で伝えたいこと、見えてきたこと

【元記事URL】:http://hero-x.jp/article/4736/

世界のトップパラアスリートたちの姿を追ったドキュメンタリー番組「WHO I AM」でプロデューサーを務める太田慎也氏と編集長・杉原の対談インタビュー。アスリートと信頼関係を構築しながら半年以上の取材を重ねていることや、“超人” という言葉で「すごい人がすごい事を成し遂げる」というストーリーを伝えるのではなく、等しく与えられた人生という舞台でいかに彼らが人生をエンジョイしているか、辛いときをどう乗り越えたのか、“WHO I AM = 自分” を描こうとする姿勢に番組としての熱意を感じられるだろう。

パラスポーツを他のメジャースポーツと同様に盛り上げるにはどうすればいい?次世代にいかにつなぐか?など議論が白熱する後編もお見逃しなく。

現在、「WHO I AM」シーズン1・2・3の本編映像を無料配信中!(※ご視聴いただくには会員登録が必要となります。)いまこそアスリートを応援していくべき時、ぜひご覧いただきたい。

「WHO I AM」:本編映像はこちらから

https://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/

一体、どこまで強くなる?
車いすテニスの絶対王者、
国枝慎吾の“大改革と野望”【HEROS】

【元記事URL】:http://hero-x.jp/article/3892/

グランドスラム車いす部門男子歴代最多の記録保持者でもある、車いすテニスプレイヤー国枝慎吾選手のインタビュー。右肘の怪我を経てからのフォーム改善、30代半ばという年齢に差し掛かった今、体をさらに改造していくことよりも、道具を使う競技ゆえにギアを掘り起こしていきたいと語っている。自分自身への向き合い方に対しても、どれほどのタイトルを勝ち取ってもそこで満足することはなく、より強い選手になりたい、最高のパフォーマンスを発揮したいという気持ちが原動力というシンプルかつ明瞭なスタンスにも胸を打たれるはずだ。

なかなか知る機会が少ないパラアスリートのパーソナリティ。観戦をより深めるきっかけになることを願ってやまない。

(text: Yuka Shingai)

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生き残る芸人は、ただひとり!?【車いすハーフマラソン 芸人白熱バトル】Vol.1 後編

岸 由利子 | Yuriko Kishi

『車いすハーフマラソン2018、芸人白熱バトル!』は、2018年10月に岐阜県海津市で開催予定の「第23回長良川ふれあいマラソン大会」の出場を目指して、チャレンジ精神に溢れる芸人たちが奮闘する姿をお届けする連載企画。パラリンピックの北京大会で金メダル2個、ロンドン大会で銀メダル3個を獲得した車いす陸上スプリンターの伊藤智也選手が、各自の素質を見極めつつ、直々、指導にあたっていくという贅沢極まりない内容だ。

期待の星。芸人・大蜘蛛の凄さとは!?

ついに、大蜘蛛さんの出番がやってきた。たかみちさんの走りについて、感想を尋ねると、「腕が長いのは利点だとは思いますけど、筋力的には、僕の方が上やと思います。あの程度じゃ、僕、息は上がらないので。まだまだひよっ子ですね」と余裕の様子。

エクストリーム・スポーツの凄さを大蜘蛛さんが体を張って体験する連載企画『X-CHALLENGE』では、競技用車いすに初めて乗る人が、100mを走るだけでも脅威であるところ、34秒でみごとに完走し、伊藤選手の度肝を抜いた。さらに、レース距離を伸ばした400mでは、2分36秒というタイムを収めた。2分で完走できたら、全日本選手権の予選に出場できるレベルに達するといえば、その凄さが理解できるだろう。

「感覚が戻ってきましたね」と慣れた手つきで、競技用車いすのホイールをこぎ出す大蜘蛛さん。「そんなんやってるの、いっぺんも見たことない!」と同居人のたかみちさんは言うが、本人によると、2日に1回の頻度で、腕立て伏せ30回を5セットこなし、体作りにも励んできたのだそうだ。

まさかの不調。元凶は、“腹の肉”

大蜘蛛君、前回より下手になったね」。開口一番、伊藤選手から厳しい言葉が出た。走行スピードは、たかみちさんの初回のスピードを下回る5km。いまいち調子が出ない理由を探ると、競技用車いすのシートのサイズが、前回のものより小さかったことが判明。急遽、広めのシートの車いすに差し替えたが、どこかこぎ方がぎこちなく、トップスピードも8km前後が限界だった。

「前回は、初心者用のグローブでしたが、今回は僕のグローブ(プロアスリート用)を使っているので、手のポジションが掴みづらいのかもしれません。でも、一番まずいのは、お腹の肉厚。前にも言いましたよね、もうちょっと(肉厚を)落とせば、腕が短くても、動かせる範囲はグッと広がるし、スピードも5~10kmくらい、あっという間に上げられるのにって。やっぱり、見えないところでの努力って、すごく大事。頑張らない人は、本当に残念です」

伊藤選手、どうやら本気でお怒りのようだ。それを見かねたHERO Xの杉原編集長は、大蜘蛛さんにポロシャツを上げるよう命じた。もちろん、肉厚具合を確認するために。

身長168cm、体重83キロ。タプタプに揺れるお腹を見て、絶句する杉原編集長。伊藤選手も顔をしかめている。

「本気でやるなら、トータルで体重10kgは減らした方がいいよね。その体のままでいくとしたら、競技用車いすを根本的に作り直すしかないと思います。でも、それは現実的な解決策じゃないですよね。大蜘蛛くん、センスはやっぱりあると思うの。ハンドリムを押す時の脳と手の神経の連携は、アスリート並みに良いんです。頭がキュッと振れる感じとか、腕の筋肉の出方とか、本来アスリートじゃないとできないことが、すでに備わっているから、もったいないですよね。持久力もあるんだし」。すっかり肩を落とした大蜘蛛さんに、伊藤選手から愛の溢れる言葉が投げかけられた。

25km出せるランナーにならないと、迷惑がかかる!?

最後に、伊藤選手から宿題が出された。大蜘蛛さんは、次回(2ヶ月後)までに、体重5kg落とすこと。たかみちさんは、腕立て伏せ30回を1日2~3セットこなすことだ。

「今のトップスピードでは、大蜘蛛君は、マラソン大会には出場できません。最終的には、25km出せるようにならないと、他のランナーに迷惑がかかるので、そのことをしっかり胸に留めておいてください。即戦力でいくと、今は完全にたかみち君がリードしていますね。0対100ほどの違いがあります。体を鍛えて、さらに上を目指して欲しいと思います」

この日、大蜘蛛さんが、ダントツのパフォーマンス力を見せてくれると信じてやまなかったが、予想外の展開となった。当初、この企画では、2人がマラソン大会に出場することを前提にしていたが、急遽、杉原編集長によって、「伊藤選手が認めた1人だけが出場権を獲得する」という条件に変更された。とりわけ大蜘蛛さんにとっては、シビアな戦いとなりそうだ。リベンジできるか?芸人たちの真剣勝負、次回もどうぞお楽しみに!

前編はこちら

伊藤智也(Tomoya ITO)
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。若干19歳で、人材派遣会社を設立。従業員200名を抱える経営者として活躍していたが、1998年に多発性硬化症を発症。翌年より、車いす陸上競技をはじめ、2005年プロの車いすランナーに転向。北京パラリンピックで金メダル、ロンドンパラリンピックで銀メダルを獲得し、車いす陸上選手として、不動の地位を確立。ロンドンパラリンピックで引退を表明するも、2017年8月、スポーツメディア「HERO X」上で、東京2020で復帰することを初めて発表した。

シンプル 大蜘蛛英紀
サンミュージックプロダクション所属。キングオブコント2012 / 2016にて準決勝進出の実力 を持つお笑いコンビ「シンプル」のボケ担当。
http://www.sunmusic.org/profile/simple.html

みんなのたかみち
ワタナベエンターテインメント所属のお笑いコンビ「プリンセス金魚」のツッコミ担当。2016年10月より、相方の大前亮将が拠点を名古屋に移したため、『遠距離コンビ』となる。以来、単独でライブなどに出演し、ピンネタを披露する機会も増えている。
http://www.watanabepro.co.jp/mypage/4000019/

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

(photo: 増元幸司)

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