ベビーカーを押す人、障がい者、高齢者、外国人などのマイノリティー、わたしたちは「意識のバリア」を超えることができるのか。あらゆる人々が混在する渋谷。福祉に関する知識とセンスを高める場として定着しはじめた「超福祉展」。昨年はおよそ41,000人の来場者が押し寄せた。今年はさらに内容をパワーアップ、代官山T-SITE などサテライト会場を充実させ、渋谷区のあちこちでさまざまなイベントを企画している。

「フルカーボン車椅子」や「WHILL」といった最新の福祉機器など、オシャレで使いたくなる福祉用品の展示のほか、障がい者施設のメンバーが書いた文字をもとに、デザイン専攻の学生がつくり出した「シブヤフォント」を使った渋谷のおみやげ試作品を公開。障がい者、健常者の垣根を越えたプロジェクトを見ることができる。

2025年には世界がまだ見たことのない超高齢化社会に突入する日本。健常者にとっても、高齢化は避けられない。高齢者の多くが抱える問題に、足腰が弱ることが挙げられるが、となれば、歩くことに困難さを抱えるのは障がい者だけではなくなるだろう。なにがマイノリティーで、なにがマジョリティーなのか、マイノリティーとマジョリティーはいつ逆転してもおかしくない時代を迎えようとしている。福祉機器はより身近に、そしてファッショナブルなものへと進化を遂げはじめている。こうした福祉機器の開発や、建造物や公道などにより、物理的なバリアはなくなりつつあるが、障がい者や福祉そのものに対する「心のバリア」はまだまだ高い。このバリアをどこまで取り払うことができるかが「超福祉展」の挑戦だ。「カッコイイ」福祉機器をあなたはいくつ見つけられるか。思わず唸るデザイン性に優れたアイテムたちにぜひ会いにいってもらいたい。

超福祉展
http://www.peopledesign.or.jp/fukushi/